Blue OriginがBE-4エンジンの初テストを実施

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燃焼試験中のBE-4エンジン
Image Credit:Blue Origin

宇宙ー地球間の安価な輸送システムの構築を目指しているBlue Originが、ロケット輸送の要である新型エンジンの初テストを実施した。

テスト実施に合わせ、Blue Originは様々な角度からの燃焼試験の様子を捉えたビデオを、同社のツイッターで公表した。

詳細は公表されていないが、Blue Originの設立者であるJeff Bezos氏は「初のBE-4エンジンの燃焼試験は成功した。」と自身のツイッターで語っている。

BE-4エンジンとは?

組み上げられたBE-4エンジン
Image Credit:Blue Origin

BE-4エンジンとは、Blue Originの新型ロケットNew Glennに搭載される予定の第四世代エンジンである。海面で550,000lbf (2,400kN)の推力を生み出す。United Launch Allianceの次期ロケットであるVulcanロケットにも採用される可能性があるエンジンだ。
燃料には液化天然ガス、酸化剤に液体酸素を用いる。液化天然ガスは家庭でも都市ガスとして利用されているため、ケロシンなどの燃料に比べ供給が豊富で安価に調達することができる。さらに液化天然ガスは燃料タンクの圧力を高めるために使うことができる。推進剤としてよく使われるケロシンは、高圧の燃焼室に送り込むためにヘリウムなどの不活性ガスでタンクを加圧する必要がある。しかし、液化天然ガスを燃料とすると、加圧のための不活性ガスを別途搭載必要する必要がないのだ。BE-4エンジンでは燃料から見直すことによって、コスト削減に挑んでいる。

アメリカの威信を掛けた国産エンジン

BE-4エンジン
Image Credit:Blue Origin

BE-4エンジンの開発はアメリカにとっても悲願である。現在、アメリカはロシア製のRD-180エンジンに頼っており、Blue OriginのBE-4エンジンがアメリカにとって低価格、低リスクの純国産エンジンになる予定だ。

BE-4エンジンは民間企業で開発されているロケットエンジンだ。United Launch Allianceと協力し、政府の資金援助なしに開発を進めている。さらにBE-4エンジンを安全保障の分野で使用することによって、RD-180エンジンを使い続けた場合と比べて、3億ドルもの税金削減になると試算されている。

BE-4エンジンの燃焼システムは性能と開発期間に間に合わせ、開発リスクを低減するために酸素リッチのガスが用いられている。2つのBE-4エンジンを組み合わせることでRD-180を超える1,100,000lbfの推力を生み出す計画だ。さらにBE-4の生産数を増やすことでコストを下げ、信頼性を上げる。United Launch AllianceのVulcanロケットに搭載されるだけではなく、New Glennの第一段に7基、第二段に派生型のBE-4Uを1基搭載することで生産数を増やし、品質を安定させるのだ。複数のエンジンを利用することで、簡略化し、開発における様々なリスクを低くしている。

新型エンジンの登場で宇宙への輸送コストは着実に下がっている。各社がしのぎを削り、開発に取り組むことで宇宙利用の市場も急速に拡大していくだろう。

今週の英語フレーズ

Blue Origin’s BE-4 rocket engine is the fastest way to end American dependence on the Russian-made RD-180 engine.

Blue OriginのBE-4ロケットエンジンは、アメリカのロシア製RD-180エンジンへの依存を終わらせる最速の方法だ。

出典元

2017/10/21, SPACE NEWS, Blue Origin conducts first test of BE-4 engine, http://spacenews.com/blue-origin-conducts-first-test-of-be-4-engine/#mail_tab
2017/10/21, Blue Origin, Blue Origin | Engines, https://www.blueorigin.com/engines#be-4