宇宙ビジネス×ベンチャー企業一覧アメリカ編 2017

宇宙ビジネスを牽引するアメリカベンチャー企業

宇宙開発は国家機関がやることだと思われがちですが、近年では民間ベンチャー企業発の宇宙ビジネスが盛んになってきています。特にアメリカでは、シリコンバレーを中心に宇宙ベンチャー企業が多く揃っています。

今回はアメリカを中心とした海外の注目宇宙ベンチャーを宙畑がピックアップしました!

日本編は宇宙ベンチャー企業一覧日本編2017でご紹介しています。

【ロケットの開発・打ち上げサービスを提供するベンチャー企業】

ロケットの開発はまだまだ高価ですが、宇宙以外の分野で大きな資金を得た人たちが、巨額の資金を投入し、新しいロケットの開発に挑戦しています。
新しいロケットの開発により、ロケットの打ち上げ価格が安くなることで、人工衛星が打ち上げやすくなり、人工衛星を使った事業へのハードルを下げることができます。

◆SpaceX

会社URL: http://www.spacex.com/
再使用できるロケットを使用して従来の半分の価格で、ロケットの打ち上げを提供するアメリカの企業。2002年に現テスラモーターズCEOかつPayPalの創業者でもあるイーロン・マスクによって設立されました。

打ち上げ後、戻ってきて着陸するロケット”Falcon 9”
Image Credit: SpaceX

◆Vector Space Systems

会社URL:https://vectorspacesystems.com/
SpaceX創業時のメンバーが立ち上げた小型衛星専用ロケット開発会社です。価格や打ち上げ時間の柔軟さなどを強みに小型衛星用のロケット開発を行っています。ロケットは50kgと100kgの打ち上げ能力を持つロケットをラインナップし、Rocket Labと同様小型衛星の打上げを担います。

エンジン噴射実験時の様子
Image Credit: Vector Space Systems

◆Spaceflight industries

会社URL: http://www.spaceflight.com/
超小型衛星向けに、(1) ロケット打上げ枠斡旋 (2) 地上局ネットワーク (3) 超小型衛星システムの3本柱を提供する会社。従来衛星を打ち上げたい人はそれぞれのロケット会社と契約を結ぶ必要がありましたが、打上げ斡旋サービスを行うSpaceflightではホテルのネット予約のように、様々なロケットの空き状況が一覧で確認・選択できます。

ロケットの空き状況がネットで確認できる (SpaceflightWEBサイトより)

※その他のロケット開発・打上げサービス提供会社

・Blue Origin

https://www.blueorigin.com/
Amazonの創業者が率いる再使用ロケット

・Virgin Galactic

http://www.virgingalactic.com/
飛行機を使って空中発射するロケット

・Rocket Lab

https://www.rocketlabusa.com/
小型衛星に特化したロケット

※詳しくは、第一回:ロケット開発&打ち上げサービス事業のビジネスモデルと主要企業 をご覧ください。

【衛星による通信サービスを提供するベンチャー企業】

日本では想像がつきませんが、世界にはまだインターネットにアクセスできていない人が30億人いると言われています。この30億人が衛星を介してインターネットにつながることで新たなビジネスチャンスが生まれると考えられ、GoogleやfacebookなどIT企業がこぞって投資を行っています。

◆OneWeb

会社URL: http://oneweb.world/#home
2016年12月にソフトバンクが10億ドルの出資を決めた衛星通信サービス会社。ソフトバンクの他にもコカコーラやボーイング、米半導体大手Qualcommなども出資を行っています。

2018年までに648基の衛星の衛星を打ち上げて、地球規模にインターネット環境を提供する計画でしたが、ソフトバンクの投資を受けて、さらに2,000基の衛星を追加することを決めました。

地球をたくさんの衛星で覆い、通信網を形成する
Image Credit: OneWeb

◆O3b

会社URL:https://www.o3bnetworks.com/
O3bとは、『Other 3 Billion(残り30億人)』の略で、中軌道の衛星群から通信サービスを提供します。OneWebの創始者であるグレッグワイラーによって設立されました。2013年に最初の4機が打ち上げられ、最終的には2019年までに20機の衛星群を構成する予定です。

O3bが提供する衛星群による通信サービスイメージ
Image Credit: O3b

※その他の衛星通信サービス提供会社

・SpaceX

http://www.spacex.com/
将来的な火星移住計画の資金源として、衛星通信事業を計画

・Orbcomm

http://www.orbcomm.co.jp/index.html
海上や山岳地帯などこれまで通信が無かった地域の機器の通信を実現

・Iridium Next

https://www.iridiumnext.com/
通信衛星会社大手のIridiumが次世代の衛星通信として計画

※詳しくは、第二回:衛星による通信サービスを提供するベンチャー企業 をご覧ください。

【衛星によるリモートセンシングをサービスにするベンチャー企業】

衛星から撮る地球の写真は、ドローンなど地上からの撮影よりも広範囲を一度に撮影可能であり、衛星の数を増やしていくと、地球上のあらゆる場所を1日1回以上の高頻度で撮ることができます。

これらのデータは、その他の地上のデータ(気象データやクレジットカード決済データなど)と組み合わせて新たな価値を生み出すと言われています。衛星もいわゆる、『ビックデータ』のうちの一つという考え方です。

◆Planet

会社URL: https://www.planet.com/
世界最大規模である100機以上の人工衛星群を既に所有し、世界中の写真を撮影。撮影された写真は、高品質かつ頻繁にアップデートされ、様々な分野での活用が期待されています。

農業、自然資源の管理、自然災害などの現場で採集されたデータを企業や国際協力組織に提供し、活動促進の手助けを行う計画です。

2017年2月に、この分野の有力ベンチャー企業であったGoogleの子会社Terra Bellaを買収し、さらに力をつけています。

Planetサービス例。同じ場所の写真を時間を変えて撮影することで(左側上下)、時間変化を検出できる。右図ピンクは大きく変化した場所。黄色は少し変化した場所。緑はほとんど変化していない場所。どの畑が使用されているのかが分かる。
Image Credit: Planet

◆Orbital Insight

会社URL: https://orbitalinsight.com/
2013年設立。人工衛星や無人航空機の発展により量産される地理空間データを分析することで、地域、国、世界単位で情報を整理し、社会・環境問題等の解決促進を目指しています。

クラウドコンピューティングなどのテクノロジーを駆使し、データ分析のプラットフォームを形成。昨年、20億円の投資を獲得している点も注目です。

石油タンクは残量に応じて蓋が上下するため、人工衛星から撮影すると、その影の入り方から石油の残量が推定できる。
Image Credit: Orbital insight

※その他の衛星リモートセンシングサービス提供会社

・Spire

https://spire.com/
超小型衛星を用いて、海上の船舶監視や気象情報に役立つデータを提供

・Blacksky Global

https://www.blacksky.com/
衛星情報とインターネットなどで集められる情報を組み合わせ新たな付加価値を提供

・Urthecast

https://www.urthecast.com/
宇宙ステーションに取り付けられたビデオカメラで、動画を撮影

※詳しくは、第三回:衛星によるリモートセンシングをサービスにするベンチャー企業 をご覧ください。

【宇宙の資源開発を行うベンチャー企業】

資源探査はもはや地球上だけの話ではありません。地球以外の天体から資源を採取し地球または宇宙での活動に役立てようと考える会社もあります。

◆Planetary Resources

会社URL: http://www.planetaryresources.com/
「経済活動を宇宙へ」を目標に小惑星探査を行う会社。小惑星にある資源を活用することによって、フロンティアを宇宙へと広げ、さらなる人類の発展を目指します。特殊な軌道を描く小惑星は月よりも地球に近づくことがあり、それらの小惑星から資源回収を試みる計画です。

Planetary Resourcesのミッション概要
Image Credit: Planetary Resources

宇宙ビジネスの今後の展望

海外ではアメリカを中心として、政府や大企業に依らない新しい宇宙ビジネスが投資を集め、宇宙開発は転機を迎えようとしています。

一方で、最近は宇宙は投資に対するアウトプットが少ないとも言われ、投資が集まっているのはITビジネスに飽きた投資家が物珍しさで投資しているいわゆる”宇宙バブル”なのではないかとの見方もあります。

集めた資金を武器に一気に宇宙産業界にブレイクスルーを起こし新たな時代に突入するのか、80年代の人工知能への投資ブームのように時期尚早だったと判断されるのか、今後数年は「宇宙ビジネス」から目が離せません。

それぞれの分野の注目企業は、以下の記事で詳しく解説しています。
第一回:ロケット開発&打ち上げサービス事業のビジネスモデルと主要企業
第二回:衛星による通信サービスを提供するベンチャー企業
第三回:衛星によるリモートセンシングをサービスにするベンチャー企業

日本編は宇宙ベンチャー企業一覧日本編2017からご覧ください。

おすすめ宇宙ビジネス本

宇宙ビジネスを学びたい方におススメな本をこちらで紹介しています。

※本記事は2017年5月5日時点での情報を元に作成しました。