宇宙に浮かぶ6.5mの鏡、次世代宇宙望遠鏡JWSTとは 第32回「今週のSPACE ENGLISH」

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

今週は10/29~11 /5の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を10個ご紹介します。

それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!
   
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/10/29~2018/11/5
※()内の数字は該当期間の登場回数です

1.additive(25)

追加の。

Lockheed Martin
Lockheed Martinの付加製造設備
CREDIT:Lockheed Martin

additive manufacturingで「付加製造」と訳され、3Dプリンターなどを用いた製造のことを指します。

付加製造に関する安全標準として昨年UL 3400という標準が発行されました。

衛星製造大手のSpace Systems/LoralやLockheed Martinなどは衛星の部品を3Dプリンターで製造することを進めており、2社がUL3400の認定を受けたというニュースがランクインしました。

Lockheed MartinはすでにNASAの木星探査機Junoの部品の一部を3Dプリンターで製造することに成功しています。

衛星の部品は複雑な1点ものが多いため、3Dプリンターを用いることで、安く早く製造できることが期待されています。

■ 参照サイト(原文)
Lockheed Martin extends additive manufacturing to key spacecraft components
SSL additively expands additive manufacturing from brackets to antenna towers

2.aireon(23)

【固有名詞】航空監視システムを提供している会社

航空監視システム
航空監視システムの仕組み
CREDIT:PMV group

今回クランクインしたのはイリディウムがaireonに2021年までの借金の返済を求めているというものです。その額は200億円です。

イリディウムは、イリディウム・ネクストという新な衛星を2017年に打ち上げました。その衛星に搭載されているのが、aireonが開発したADS-Bという受信機で、航空機から発信される位置情報を受信することが出来ます。この情報をもとに精度の高い航空監視システムの提供を目指しています。

このADS-Bの開発資金としてイリディウムから約200億円を借りていました。これに対し、イリディウムの最高財務責任者であるトム・フィッツパトリック氏は2021年までの返金をaireonに要求していることを明らかにしました。

■参照サイト(原文)
Iridium expects Aireon to pay off $200M debt by end of 2021

3.fuel(22)

【名】燃料
【動】燃料を注ぐこと

宇宙ビジネスにおいては、ロケットの燃料と衛星の燃料に分けられます。

ロケットの燃料は、地球から飛び立つために用いられます。
大きく固体燃料と液体燃料に分けられます。

固体燃料は構造が簡単であるというメリットがありますが、一度火をつけたら止められないので点火後の調整が難しいというデメリットがあります。
一方の液体燃料は液体のため取り扱いが難しいですが、点火後の制御がしやすいという利点があり、目的に合わせて方式が選ばれます。

衛星の場合は周回している軌道が外的要因によりずれてしまうことを補正したり、衛星の姿勢を変更するために、燃料が用いられます。

今週はNASAのKeplerとDawnという2機の深宇宙探査機が、相次いで自身の燃料が尽きたために運用を終了するというニュースが入りました。

Kepler
探査機Kepler
CREDIT:NASA

■ 参照サイト(原文)
Kepler planet hunter ends operations after exhausting fuel
Dawn mission to asteroid belt ends

4.ssl(21)

【固有名詞】Space Systems/Loral。スペースシステムズ・ロラール。

世界的な衛星製造メーカーで、最近では静止衛星市場から撤退し低軌道衛星に注力するという発表を行い、話題を呼びました。

加えて冒頭で登場した3Dプリンターでの付加製造の工場の認可も受けたようです。

■ 参照サイト(原文)
Maxar trying to sell GEO business as defective components compound troubles

5. thuraya(17)

【固有名詞】スラーヤ。アラブ首長国連邦の衛星通信サービス会社。

同じくアラブ首長国連邦の衛星通信サービス会社Yahsatに買収されました。

Yahsatは2019年末までに新たに2機の通信衛星を発注し、現在thurayaが提供しているLバンドという周波数帯域での通信サービスを継続することを計画しています。

■ 参照サイト(原文)
Yahsat planning successor for Thuraya fleet

6.JWST(16)

【固有名詞】James Webb Space Telescope。ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡

NASAがハッブル望遠鏡の後継機と位置付けて開発を進める、宇宙空間に設置され天体を観測する望遠鏡で、2021年に打ち上げ予定です。

望遠鏡の主鏡は6.5mと非常に大きいことから、精密に観測するためには、熱を遮断する必要があります。そのため、何枚もの薄い板を広げた構造になっています。

今回のニュースでは、JWSTと独立した委員会の審査によると、衛星にはまだまだ考慮すべき事項やリスクが多く、完成には程遠い、とのこと。
すでに多額の開発資金を使用しており、今後の動向が注目されています

NASAによるJWSTの公式動画が公開されています。
字幕もついており聞き取りやすい英語なので、リスニングもかねてチャレンジしてみてください。

■ 参照サイト(原文)
Independent board chair calls JWST a “step too far”
    

7 .design(15)

【動】設計する。
【名】設計図

日本語ではデザインというと、おしゃれな見た目のような語感もありますが、宇宙ビジネスではもっぱら衛星やロケットの「設計」という意味で用いられます。

衛星やロケットの設計が進むごとに、審査会が開催され、次の設計フェーズに移行してよいかがチェックされます。その審査会の名称はPDR(Preliminary Design Reviw:基本設計審査)やCDR(Critical Design Review:詳細設計審査)など、Designが含まれます。

8.run(14)

run out of (燃料等が)切れる、果てる。

今週の英語フレーズ

“NASA’s original planet hunter, the Kepler Space Telescope, has run out of fuel,” said Paul Hertz,

NASA初の惑星観測衛星であるケプラー宇宙望遠鏡は燃料が切れたとポール・ヘルツ氏は言った。

■参照サイト(原文)
Kepler planet hunter ends operations after exhausting fuel

9.martin(14)

【固有名詞】
Lockheed Martinというアメリカの航空機・宇宙船の開発製造会社です。

1995年に主に軍用機を製造しているロッキード社と宇宙衛星や航空機ミサイル等幅広く製造していた航空機製造会社のマーティン・マリエッタ社と合併し誕生しました。

こちらの会社はUL認定付加剤製造施設を世界で初めて取得し、チタン製の導波管ブラケットが製造されました。
この導波管ブラケットは手のひらに収まるほど小さい衛星に搭載する部品です。この導波管ブラケットは2019年アメリカの空軍が打ち上げる衛星にも搭載される予定です。

さらにLockheed Martin社の役員であるCuellar氏は4~5年後には新たな大きな製造物を作るとコメントしています。

10.administration(13)

【名詞】行政

今週の英語フレーズ

A space policy of the administration of President-elect Donald Trump is likely to focus more on human spaceflight, technology development and commercialization, and less on Earth science.

トランプ大統領が率いる政府の宇宙政策は地球科学ではなくより有人宇宙、技術開発そして商業化に焦点を当てるようだ。

■参照サイト(原文)
What a Trump administration means for space

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以上、第32回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。

次回の「今週のSPACE ENGLISH」は11/18(日)に11/5(日)~11/12(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。

これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!
   
執筆者:ラディッシュ担当M.S.
※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら
   
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