宇宙デブリの増加への懸念、アメリカが新たなルールを検討 第34回「今週のSPACE ENGLISH」

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

今週は11/10~11 /16の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を5個ご紹介します。

それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!
   
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/11/10~2018/11/16
※()内の数字は該当期間の登場回数です

1.debris(45)

【名詞】ゴミ 
    space debrisで宇宙ゴミの意味になります。

軌道上で故障したり寿命を迎えた衛星がそのまま軌道上を周回しているものを宇宙ゴミ、デブリと呼んでいます。

米連邦通信委員会(FCC)は、高度約2000km以下の低周回軌道の衛星の場合、運用終了から25年以内に大気圏へ突入するような設計にすることをガイドラインとして定めて規則としていました。

今後多くの衛星の打ち上げが計画されており、宇宙ゴミはさらに増加し、衛星同士が衝突するなどの事故が発生することが予想されます。

そのような事態を防ぐため、FCCが新たなガイドラインを提示しました。

衛星を打ち上げる際に直接投入したい軌道に入れずにまずは高度650km以下の比較的空いている軌道に打ち上げたのち、衛星自身で所定の高度まであげていくことで打ち上げ直後に故障が生じた衛星が、混み合った650km周辺の軌道でデブリになることを防ぐ事ができるとしています。

また、静止軌道以外の650km以上の軌道に打ち上げる際は、その軌道を選択した理由の説明を求めるとしています。

■参照サイト(原文)
FCC to seek comment on revised orbital debris guidelines

2observation(25)

【名詞】 観察

今回話題に上がったのは、地球観測衛星についてです。

ESA(European Space Agency)は人工知能を搭載した地球観測衛星の打ち上げの計画を発表しました。

人工知能を搭載するのは衛星データの選別の部分です。地球観測衛星からは、1日に150テラバイトのデータが生成されます。毎日の膨大なデータ量を処理するのはとても大変です。そこで、人工知能を利用して地上に送るデータを選別する事を試みているのです。

このプログラムの開発責任者である、Ascbacher氏は、人工知能開発チームの技術強化のため、google earthへの導入を考えているGoogle、ディープラーニングに有効なデバイスを生産しているNVIDIA、AIによる画像の題材の特定を研究しているAmazon、人間のの専門知識とコンピューターの洞察力を結合するAIの開発をすすめるSAPの4社と協力していきたい考えを示しました。

大量のデータ処理にAIを利用することは、人工知能の教師データとしても活用できるとして、人工知能開発者とも協力して計画を進めていく考えです。

■ 参照サイト(原文)
ESA preps Earth observation satellite with onboard AI processor

3.spacety(25)

【固有名詞】Spacety

SpacetyCREDIT:Spacety

Spacetyは中国初の民間の衛星開発企業です。国が進める宇宙産業発展の促進に向けた政策に伴って2016年に立ち上げられ、注目を集めています。

小型衛星のソリューションの提供を基盤とし、中国の投資家からも支援を受けて運営しています。現在も4つの衛星のミッションを遂行しているほか、今年、2つの衛星の打ち上げを予定しています。

今後の課題としては、コスト面を上げており、開発コストを現在から10%カットすることを目標としています。

■ 参照サイト(原文)
Microsatellite maker Spacety looks to fill the gaps in the new Chinese market

4.shanahan (18)

【人名】アメリカ国防省副長官

シャハラン氏は、ペンタゴンで行われた記者会見にて宇宙軍創設についてコメントしました。
宇宙軍を他の軍部と異なった部門として設立する場合、新な法案が必要となる中、来年の10月1日に宇宙軍創設を目標として掲げており、軍創設を含めた宇宙に関する組織の再編成の緊急性を強調しました。

また、予算についてもコメントしています。
トランプ政権が指摘を受け、国防省にかける金額を昨年の733億ドル(約7兆3000億円)から700億ドル(約7兆円)に削減されたものの、宇宙軍創設にかける資金は引き続き維持していく考えを明らかにしました。

■ 参照サイト(原文)
Major moves in DoD space reorganization to start in early 2019

5astrobiology.(17)

【名詞】宇宙生物学

20年以上前から生物学研究に取り組んできたNASA宇宙生物学研究所(NAI)は他の分野を含めた科学者が共同して研究を行うRCN(Reaserch coordination networks)の一部となることが明らかになった。

政府当局は、RCNによって、特定分野の研究に必要な柔軟性を提供とできるとしています。

NASAは、現在、火星における生命の存在について、積極的な探査を進めています。一方、RCNでは生命の検出方法や、海洋学、生命誕生に関する分子を研究する生化学分野、そして細胞生存に関する研究室を設けており、互いに協力しあうことで研究の発展を図ろうというものです。

しかし中には、RCNという総合的な形が、今までの独立した形に比べ研究形態として有益であるかどうか疑問を持っている研究者もいます。

研究者たちは複数の研究室と総合的に管理されることで、研究費用がまとめて支払われ、各研究室が使える金額が少なくなってしまうのではないかということを懸念していたようです。

これに対し、NASAは今まで通り、研究室単独で支払われる方法を取り、資金面で不利益が生じることはないと回答しています。

■参照サイト(原文)
NASA to shut down astrobiology virtual institute

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以上、第34回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。

次回の「今週のSPACE ENGLISH」は12/5(水)に11/17(日)~11/23(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。

これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!
   
執筆者:ラディッシュ担当M.S.
※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら
   
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