宙畑 Sorabatake

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Amazonが目論む宇宙ビジネスに注目 第36回「今週のSPACE ENGLISH」

Amazonが始めたAWSとは?ユーザーにとって、衛星データがより身近なものに。NASAが運営するCLPSプログラムに9社が参加することが決定。

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

今週は12/1~12/8の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を5個ご紹介します。

それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/12/1~2018/12/8
※()内の数字は該当期間の登場回数です

1.aws(24)

【固有名詞】Amazon Web Service の略

11月27日、Amazonは、顧客へのサービスとして衛星地上局を提供することを発表しました。これは、AWSが新たに設置した衛星アンテナによって、顧客が衛星を経由したデータ通信が取得できるというものです。この事で、衛星を介したデータの送受信がより身近になると期待されています。

このサービスは、特定の衛星のデータより、特定の場所や時間のデータの提供の方が必要とされているという考えより生まれたもので、AWSに提供されている様々な衛星データを活用すべく開発されました。

さらにこの地上に作られるアンテナに関して、LockheedMartin社が開発したものを利用することを決定し、契約を結んだことを発表しまし、注目されています。

 

■参照サイト(原文)
Amazon-Lockheed venture casts shadow on ground station startups

2.clps(20)

【固有名詞】Commercial Lunar Payload Service の略

このプログラムは商業的に小型ロボットと、ローバーを月に送ることを目的としたものです。
11月29日NASAは記者会見で、このCLPSというプログラムを実行すること、さらに、このプログラムに9社が参加することを発表しました。
・Astrobotic Technology
・Deep Space Systems
・Draper: Cambridge
・Firefly Aerospace
・Intuitive Machines
・Lockheed Martin
・Masten Space Systems
・Moon Express
・Orbit Beyond

このCLPSプログラムはNASAの科学ミッションと共同で進められます。このプログラムに関して、いまだ不透明な部分が多いということもあり、宇宙業界では技術、財政的な問題に苦しむ可能性が高いという声が上がっており、今後の動きに注目が集まりそうです。

 

■ 参照サイト(原文)
NASA selects nine companies for commercial lunar lander program

3.altitude(13)

【名詞】高度、高さ

今週の英語フレーズ

That definition gained prominence during the Ansari X Prize competition for commercial suborbital vehicles, won by SpaceShipOne in 2004 when it three months earlier.
この定義(前述:宇宙の到達に必要な飛行高度として100Kmとしている)は、2004年に、SpaceShipOneが例年のコンペティションより3か月早い試験期間で、二週間以内に2倍の高さに飛行させて勝利した、商業的な航空機におけるコンペティションであるAnsari X Prizeの期間中に注目を集めました。

Boundary of space being reconsidered as Virgin Galactic test program advances(原文)

4.reagan(12)

【人名】Ronald Wilson Reagan氏
あるロナルドレーガン大統領図書館で開催されるイベントReagan Nationa Defense Forumについてです。
このイベントでは、国防の健全性、米軍の強化政策について、専門家や政治家が意見を交わします。

Reagan Nationa Defense Forumの様子
Credit : SpaceNews

今回の会議では、宇宙システムにおいて、中国や、ロシアで着々と開発が進んでいる分野においてアメリカは、それに勝る能力の開拓に向けた堅実な計画がないことが話題となりました。

Aerospace Corp社というあらゆる宇宙ミッションに技術面なアドバイスを行っている非営利組織のトップである氏はJamie Morin氏はトランプ政権の現状では今後も資金削減が懸念される可能性が高い事を指摘しました。その上で小型衛星や、低軌道衛星の開発を積極的にしていくことが、解決の大きな一歩になるとして、そのような開発に取り組んでいる民間企業への積極的な投資を主張し、話題となっています。

 

■ 参照サイト(原文)
Pentagon criticized for stagnant innovation, lack of investment strategy

5.monteith(15)

【人名】Wayne Monteith 氏

アメリカ合衆国運輸省に航空の安全維持を目的としたFAA(Federal Aviation Administration=アメリカ連邦航空局)という機関があります。12月1日、その中にある商業宇宙輸送局(Office of Commercial Space
Transportation)という部署の指導者にMonteith氏が就任することが発表されました。
彼はアメリカ宇宙司令官など、主要な宇宙プログラムの指揮官を務めた経歴があり、FAAのトップであるDan Elwell氏はMonteith氏は幅広い経験をもつ実績のあるリーダーだと評価し、今回の任命を歓迎しました。
Monteith氏は商業宇宙輸送局を指揮する役割を担います。ここでは、商業打ち上げの承認、打ち上げに関しての企業からのエントリーの募集や選考宇宙基地での安全に関する審査を担当する部署です。

また、Monteith氏は、商業宇宙輸送局に米国の宇宙輸送産業を推奨、促進させることも役割も課しており、今後のMonteith氏の活躍が期待されています。

 

■参照サイト(原文)
As space launch business heats up in Florida, Air Force commander Wayne Monteith tries to break records
Former Air Force general picked to lead FAA commercial space office

以上、第36回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。

次回の「今週のSPACE ENGLISH」は12/16(日)に12/9(日)~12/15(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP5(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。

これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!

※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら

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