宙畑 Sorabatake

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問われる“事業”の意義。アリアンが打ち上げ再開を発表するも、ISTは町の要請で延期【週刊宇宙ビジネスニュース 4/27〜5/3】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

問われる打ち上げ輸送サービス業の意義

ギアナ宇宙センターでの打ち上げが6月に再開

4月29日、打ち上げ輸送サービスを提供するArianeSpace(アリアンスペース)は、新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大のため3月中旬から停止していたギアナ宇宙センターでの運用活動を再開することを発表しました。

フランスは4月28日に外出制限の緩和を計画していることを発表し、製造業も生産を再開させる見込みです。ArianeSpaceは国の方針と、フランス国立宇宙研究センター(CNES)およびギアナ宇宙センターの健康規則に従い作業に従事するとのことです。

直近は6月末に50基の衛星を搭載したヴェガロケット、7月末にIntelsatとB-SAT向けのアリアン5の打ち上げが予定されています。

IST 大樹町の要請によりMOMO5号機の打ち上げを延期

4月29日、北海道大樹町を拠点に打ち上げ輸送事業を行うインターステラテクノロジズ(以下、IST)は5月2〜6日に予定していた観測ロケット「MOMO5号機」の打ち上げ実施の延期を発表しました。

同社は20日に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今回の打ち上げは見学場やパブリックビューイング施設の設置を一切中止し、無観客で実施することを発表したばかりでした。

しかしながら、観覧のために多くの人が来町するのではないかと懸念する声が町内外から大樹町に届き、緊急事態宣言の期間中である5月6日までは打ち上げを自粛するよう延期要請が公布されました。

オンライン記者会見の様子。左からインターステラテクノロジズ 代表取締役社長 稲川氏と大樹町 町長 酒森氏

29日に行われたオンライン記者会見で、IST 代表取締役社長の稲川 大貴氏は、打ち上げ実施のためにあらゆる対策を実施していたことや、打ち上げは経済活動でありエンターテインメントではないことを強調しました。一方で、町民への周知や理解を得るといった活動においては、不足があったとコメントしました。

町長を務める酒森 正人氏は、町としてさらなる応援の体制を構築していきたいと話しました。

ISTは、昨年5月に「宇宙品質にシフト MOMO3号機」の打ち上げに成功して以来、輸送サービス事業者として、量産の体制や安定した成功率をアピールしていくべき、重要なフェーズにあり、そういったタイミングでの打ち上げ延期に惜しむ声が多く見受けられています。

民間企業による宇宙産業参入が進む昨今においては、各企業の取り組みが「経済活動」の一つであることをどのように国民から理解を得るかが重要な課題となるのではないでしょうか。

Rocket Labがバージニア州の射場で試験を実施

4月29日、Rocket Lab(ロケット・ラボ)は、バージニア州のワロロップス島の新しい射場「Launch Complex 2(LC 2)」に、エレクトロンの打ち上げ設備を配備し、2020年後半に予定されている打ち上げに向けて複数の試験を実施したことを明らかにしました。

Credit : Rocket Lab

今回実施された一連の統合システム試験は、LC 2より打ち上げを実施するための最終段階にあたるとのことです。また、今後はNASAからオーダーを受けている第三四半期での打ち上げ実施に間に合うよう、自動飛行中断システム(Autonomous Flight Termination System、通称AFTS)の認定を受ける予定です。
同社は、ニュージーランドのマヒア半島にある「Launch Complex 1」を打ち上げ拠点としていましたが、2019年12月に米国宇宙軍から受けるミッション専用の射場としてLC 2を開設したことを発表しました。

グローバルで活躍するロケットベンチャーにとっては、複数の射場を持つことはリスクを分散する手段の一つとなり得るのではないでしょうか。

Virgin GalacticがSpacePort Americaでの飛行試験に成功

5月1日、宇宙旅行サービスの提供を目指すVirgin Galactic(ヴァージン・ギャランティック)社がニューメキシコのSpacePort Americaで飛行試験に成功したことを発表しました。

Credit : Virgin Galactic

今回の試験は、ニューメキシコでは初の「VSS Unity」の単独飛行でで、サービス化においては重要なマイルストーンにあたります。
航空機「VMS Eve」により上空5万フィート(約15km)まで上昇したのちに、いくつかのテストポイントに到達したのちに、滑走路に着陸したとのことです。

同社は、今年2月に生産開発拠点があるカリフォルニア州からニューメキシコのSpacePort Americaまでおよそ3時間のSpaceShipTwoの飛行試験に成功しています。

Virgin Galacticは以前より、創業者のリチャード・ブランソン氏が70歳を迎える2020年内に、彼を宇宙に打ち上げることを目標にしています。次回の飛行試験については、今回の試験の分析結果によるとのことで、今後もVirgin Galacticの活動から目が離せません。

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参考

COVID-19: Arianespace to resume its launch campaigns at the Guiana Space Center

COVID-19: Guiana Space Center suspends launch campaigns

仏も外出制限緩和、欧州製造業の再開広がる

Rocket Lab tests Electron booster on new Virginia launch pad for 1st time

Rocket Lab Opens Launch Complex 2, Confirms U.S. Air Force Payload as First Electron Mission from U.S. Soil

Electron Roll-Out Complete at Launch Complex 2 Ahead of Upcoming U.S. Space Force Mission

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