宙畑 Sorabatake

Tellus

地域の課題解決を目的とした衛星データ無料利用事業者の公募開始

経済産業省が、北海道、富山県、福井県、山口県、九州地方を対象として地域の課題解決を目的にさまざまな衛星データを無料で利用できる事業者の公募を開始しました。公募の概要とTellusで利用が可能になる衛星データを紹介します。

衛星データの無料利用事業者を募集

経済産業省は、「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」として、衛星データ等を活用した課題解決のためのソリューション開発を目的に、地方公共団体・企業・団体からニーズ情報の提供を踏まえ選定した地域において、さまざまな衛星データを無料で利用することができる事業者の募集を開始しました。

近年、小型衛星を中心とした人工衛星の打ち上げ機会の拡大により、衛星データの質や量が向上しています。これに伴い、さまざまな分野で衛星データを利用した社会課題解決が期待されています。

しかし、「衛星データの観測頻度や解像度が充分ではない」「利用できるデータの種類がデータプラットフォーム上で足りていない」など、まだまだ充分に利用しやすい状況になっているとは言えない状況にあります。

こういった背景から、今回の公募では、衛星データを活用した様々な産業の生産性向上にコミットする複数の地域(北海道、富山県、福井県、山口県、九州地方)において、ソリューション開発に必要な衛星データを課題・テーマを絞り一括調達したものを、衛星データプラットフォーム「Tellus」上で無料で利用することができる事業者を募集します。

第1回として、5月8日(月)~22日(月)13:00までの公募が開始されています。
第2回の募集の予定もあり、夏頃に募集開始を予定しています。

また、今回の公募とは別に近々公募予定の「Tellusに搭載された衛星データ等を利用したソリューション開発補助事業」に採択された事業者は自動的に今回の事業者にも採択され、衛星データの利用が可能となります。

詳細は以下のページの公募要領をご確認ください。

公募詳細ページ

衛星データの種類と対象エリア

今回の事業で提供される衛星データは、衛星データプラットフォーム「Tellus」で提供されます。

現在、提供予定の衛星データと対象エリアは以下となります。

提供予定の衛星データ

光学衛星
・アクセルスペース「GRUS」
・Maxar「WorldView/GeoEye」シリーズ
・Airbus「Pleiades」シリーズ
・Airbus「SPOT」シリーズ

SAR衛星
・JAXA「ALOS-2」
・Synspective「StriX」シリーズ
・QPS研究所「イザナミ」
・JEOSS「ASNARO-2」

その他、Tellusに搭載されている各種データをご利用いただけます。
衛星データの詳細は、Tellusのサイトからご確認ください。

データ一覧 | Tellus

対象エリア

北海道、富山県、福井県、山口県、九州地方(熊本県、福岡県、大分県、鹿児島県、佐賀県、長崎県)

青い部分は2022年度までにTellusに搭載済みの衛星データの観測範囲(全ての種類の衛星データが同じ範囲で搭載されているわけではありません)

採択された事業者には、Tellus Satellite Data Travelerで、上記衛星データの検索・閲覧が可能になるほか、Tellusのクラウド環境上でTellusに搭載されている衛星データを含めた、地理空間情報の閲覧・編集・分析が可能なオープンソースソフトウェアQGIS(Tellus QGIS)を利用することができます。

Tellus QGISがどのように使うことができるかは以下の記事をご覧ください。

さいごに

公募の詳細ページには、過去に検討された衛星データの利用事例が、森林管理・海洋漁業・都市計画など分野別に紹介されているほか、FAQなども確認することができます。

今回の公募によって提供される衛星データには、通常有料で提供されるデータも含まれます。今回の公募をきっかけにどんなことに衛星データを利用できるか検討してみてはいかがでしょうか。

公募詳細ページ