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北海道大樹町にロケット打ち上げ射場が検討されているワケ [週刊ニュース]

過去にアメリカの会社も射場として検討していた北海道大樹町。射場としての魅力とは?を紹介します

週刊宇宙ビジネスニュース2017.04.17-04.23
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十勝毎日新聞電子版「大樹航空宇宙基地構想」 Credit : 十勝毎日新聞社

2017年4月22日付け十勝毎日新聞の記事によると、今から10年前に米国ロケットプレーン社が北海道大樹町を射場として検討していたことがわかりました。

大樹町は面積815.68平方キロメートル、人口が5738人(2016年)。JAXA大気航空宇宙実験場や、小型ロケットの開発を行っているインターステラテクノロジズ株式会社があります。町ぐるみで航空宇宙関連施設の誘致を目指しており、地元紙である十勝毎日新聞の特設WEBサイト「大気航空宇宙基地構想」があります。誘致している主な施設が、ロケットを打ち上げる射場です。

射場は赤道に近いほうがいい、という話を聞いたことがありませんか?地球の自転の速度が最も速いのが赤道上であることに加えて、赤道から打ち上げると、衛星を軌道投入するための調節が少なくすむ、という話です。しかし、大樹町はかなり赤道から離れています。
実は赤道近くのほうがよいのは、赤道の真上にある高度3万6000kmの「静止軌道」と呼ばれる軌道に打ち上げる場合のことなのです。地球は西から東の向きに自転しているため、自転速度を利用する場合は速度が速い赤道近くから東に向けて打ち上げます。

北海道大樹町 Credit : google

これに対して、静止軌道に対して直角に地球を回る「極軌道」に打ち上げる場合は、赤道の近くでなくともよいのです。この場合、衛星を縦方向に周回させるため、ロケットを南に向けて打ち上げます。大樹町沿岸の位置を確認すると、南側にも海が広がっています。ロケットエンジンの切り離しや打ち上げに失敗したとき、人に直接被害を出さないようにロケットを打ち上げる方向は海であることがほとんどです。これらのことから大樹町は射場に適しているといえます。

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