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通信衛星も厳しい価格競争の時代へ
今、通信衛星に注目が集まっています。そのワケとは? どうやらそこに大きなビジネスチャンスがあるようです
世界の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部が、易しく解説!
本ではあまり馴染みのない通信衛星だが、世界をみてみると、地上の通信インフラが整備されていない地域では、インターネットにアクセスする手段として、通信衛星が多く使われている。とりわけアフリカは、地上インフラの整備が遅れており、通信衛星市場にとっては注目の市場である。
SNSの巨人、facebookもアフリカの通信市場への参入を表明していたが、2016年9月のSpaceXの打上げ失敗により、Eutelsatと共同で使用予定だった通信衛星Amos-6を失ってしまい、計画がとん挫している。
この打上失敗の恩恵を受けているのが、フランスの通信衛星運用会社であるEutelsat。2016年は収入・利益ともに赤字だが、来年は堅調、成長に転じる見込みと発表した。facebookとEutelsatが失ったAmos-6の穴は、Eutelsat単独で中東の衛星運用会社Yahsatから衛星をレンタルすることで埋める計画である。
カギとなるのはdesign-to-cost戦略だ。Eutelsatは小型衛星の製造に特化するOrbital ATKと組みEutelsat 5 West Bを製造予定である。衛星のコストを下げることで、最終的なサービスのコストも下げることが可能になった。
通信衛星も厳しい価格競争の時代へと突入しようとしている。
今週の英語フレーズ
“It’s a perfect example of the success of our new strategy,” Belmer said of Eutelsat 5 West B.
EutelsatのCEO Belmerは自身の新しい衛星Eutelsat 5 West Bについて、「我々の新戦略の成功を示す良い例である」と語った。