Virgin Orbit 初のデモフライトは打ち切り【週刊宇宙ビジネスニュース 5/25〜5/31】
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Virgin Orbit 初のデモフライトは失敗
5月27日、衛星の打ち上げサービス提供を目指すVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)が、5年間にわたる開発プログラムの最終段階に相当するデモフライトを実施しましたが、不具合が発生し、残念ながら軌道投入には失敗となりました。
今回のデモフライトは、Cosmic Girl(コスミックガール)をカリフォルニア州の宇宙港より離陸させ、LauncherOne(ランチャーワン)のエンジンを空中で点火し、発射させるというものでした。
LauncherOneの一段目のエンジンの点火には成功したものの、異常が発生し、デモフライトは打ち切られました。LauncherOneは予測範囲内の海上に落下し、Cosmic Girlとその乗員は無事に地上へと帰還しました。現時点では、異常が発生した原因は明らかになっていません。
デモフライトは失敗となったものの、Virgin Orbitはプレスリリースにて、移動可能な地上操作システムを実証したと述べています。今回使用されたモハーヴェ砂漠宇宙港での打ち上げは初。ロケットの輸送、輸送機との結合、燃料の供給、加圧、ペイロードのサービスに使用する設備は、公道を経由して宇宙港に輸送されたとのことです。
また次回のデモフライトについては、「正確なタイミングを発表するのは時期尚早である」としながらも、CEOのダン・ハート氏は、準備を進めていることをコメントしました。
ESAのコンペティションで宇宙スタートアップ10社が選出
ESAが主催する宇宙スタートアップ企業のコンペティションで50社から選出されたファイナリスト10社が発表されました。ここでは、ファイナリストを簡単に紹介していきたいと思います。
6月29日〜7月1日に開催される最終選考に通過した3企業には、宇宙機関の代表者とアポイントメントをとる権利が与えられ、2021年5月にアブダビで開催されるGlobal Space Congressに招待される予定です。
Global Space Congressは宇宙機関、企業、エンドユーザーなど600を超える団体から参加者が集まるUAE宇宙庁が主催するカンファレンス。スタートアップ企業がグロースするためのチャンスと言えます。6月末に行われる最終選考の結果が楽しみです。
三井物産との提携によりロシアのSputnixが販路拡大
5月25日、ロシアのSputnix(スプトニクス)と三井物産グループの子会社・三井物産モスクワが覚書きを交わしたことを発表しました。
Sputnixは2011年創業で、衛星部品や小型衛星をベースとしたサービスの提供を行っています。
この合意により、三井物産はSputnixの製品およびサービスをアジアと中東で販売する権利を得ました。
三井物産は、2020年2月には衛星ライドシェアサービスを展開する米国のSpaceflight Industries(スペースフライトインラストリーズ)を買収しています。宇宙分野に三井物産が力を入れている様子が伺えます。
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参考
MISSION RECAO:OUR FIRST LAUNCH DEMO
Top 10 companies in ESA’s Startup competition
Detektia Earth Surface Monitoring
Russia’s Sputnix Inks Deal With Mitsui & Co To Supply Satellite Components