軌道上での宇宙機修理に向けてDARPAが動き始めようとしている
DARPAが軌道上の衛星のメンテナンスを行うための衛星を打ち上げることに向けて、動き始めているようです
DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)は、軌道上の衛星のメンテナンス(正常に動いてるのか検査したり、壊れている箇所を修理したり、壊れた衛星を廃棄して整備したりなど)を行うための衛星(RSGS:Robotic Servicing of Geostationary Satellites)を打ち上げることに向けて、まずは軌道上での衛星修理などに向けたルール作りについて話し合うためのコンソーシアム(CONFERS)を立ち上げようとしていると発表した。
軌道上で衛星をメンテナンスできるようにすると、同じ宇宙機をより長く運用できるようになる。よって、新たにロケットで打ち上げる頻度を減らすことができるために、コストが安くなると期待されている。さらには余分に宇宙機を打ち上げる必要がなくなることから、結果として宇宙ゴミを減らす効用もある。
ただし、軌道上で修理をするためには多くの障壁がまだある。例えば、軌道上で宇宙機を修理しようとして壊してしまった場合の責任問題や、軌道上での修理を前提として設計されていない衛星を修理する場合の難しさなどがある。
このような障壁をすでに乗り越えた例として、民間が開発した宇宙機によるISS(国際宇宙ステーション)への物資補給がある。上述のような課題を解決し、ルール作りが整ったISSへの物資補給は、NASAやJAXAのみならず様々な民間企業によってすでに実施できている。
ここで重要なのは、DARPAや、NASAやJAXAといった国の研究機関、そして民間が互いに協力しないことには宇宙で挑戦的なことは実現できないということだ。ましてや軌道上での宇宙機修理という壮大な計画を実現するためには、より多くの民間企業も参画し、官民で協力していくことが重要なのである。
今週の英語フレーズ
It is very small in terms of dollars but has huge collaborative value.
協働するということに、お金では表現できないほどの価値がある。