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欧州のSAR衛星「Sentinel-1B」、復旧困難で観測終了。ESAは後継機の打ち上げを前倒す予定【宇宙ビジネスニュース】

【2022年8月8日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

8月3日、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)と欧州委員会は、地球観測衛星「Sentinel-1B」のミッションを終了したと発表しました。

Sentinel-1シリーズは、合成開合レーダー(SAR)を搭載した衛星です。

Sentinel衛星シリーズの種類と特性

2014年4月に打ち上げられたSentinel-1Aに続き、Sentinel-1Bは2年後の2016年4月に打ち上げられました。Sentinel-1Aと1Bの2機体制により、最短6日間隔での同一地点の観測を実現。観測データは森林伐採の監視や船舶の検出をはじめ、さまざまな用途で利用されてきました。

しかしながら、2021年12月23日にSentinel-1Bのアンテナ電源装置に異常が発生し、観測ができない状況に陥りました。以来、衛星のオペレータとエンジニアらが作業してきましたが、復旧が難しくミッションを終了せざるを得ないという判断に至ったということです。Sentinel-1BはESAの管理下にあり、廃棄処理が実施される予定です。

現在、ESAと欧州委員会では、後継機であるSentinel-1Cの打ち上げの前倒しに向けた調整が進められています。ESAの地球観測プログラムディレクターであるシモネッタ・シェリ氏は、

「私たちは、Sentinel-1Cの打ち上げを早めることに重点を置いています。現在、7月13日に(アリアンスペースの新型ロケット)ヴェガCの初飛行に成功したおかげで、我々はアリアンスペース社とともに、2023年の第2四半期に打ち上げることを目標としています」

とコメントしています。

また、Sentinel-1Bと同じくSARセンサを搭載しているSentinel-1Aは健全で、観測が続けられているといいます。

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参考

Mission ends for Copernicus Sentinel-1B satellite

sentinel-1

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