ソニーのカメラ衛星の打ち上げが成功。Pale Blueの「水エンジン」搭載で長寿命化を目指す【宇宙ビジネスニュース】
【2023年1月4日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
1月3日、ソニーグループのカメラが搭載された超小型衛星「EYE」が、SpaceXのFalcon9ロケットでライドシェア(相乗り)ミッション「TRANSPORTER-6」で打ち上げられました。
ソニーの衛星「EYE」が宇宙へ。23年春にサービスインする見込み
ソニーは宇宙を自由に撮影する「STAR SPHERE」プロジェクトを2020年に発表しました。EYEはSTAR SPHEREプロジェクトの最初の衛星です。
2023年春頃に、ユーザーがEYEのカメラを操作して撮影できる「宇宙撮影体験ツアー」と「プレミアム宇宙撮影体験」のサービス提供が始まる見込みです。
「Made in 宇宙」のプレゼント。 ソニーGの宇宙事業のサービスプランが明らかに
Pale Blueの水推進機を搭載。約2.5年間の寿命を実現
1月4日には、東京大学発ベンチャー・Pale BlueがEYE向けに水蒸気式推進機(水エンジン)を提供したことを発表しました。
従来はキセノンやヒドラジンなど毒性が強い推進剤が用いられていました。Pale Blueが開発する推進機は無毒安全な水を推進剤として使用するため、環境負荷の低減につながるほか、取り扱いコストも削減できます。
EYEは高度500〜600kmの軌道に投入される計画です。軌道投入後、衛星の高度は少しずつ下りますが、水推進機で軌道を維持することにより約2.5年間の寿命を実現します。
Pale Blue共同創業者兼代表取締役の浅川純氏は
「宇宙からの視点を誰もが発見し新たな感動体験を得ることができるSTAR SPHEREは、これまでに類を見ない新たな宇宙利用であり、宇宙産業そのものを非連続的に成長させるポテンシャルを持ったプロジェクトだと確信しています。
当社の安全・持続可能・低コストな水エンジンが本プロジェクトに貢献できることを大変嬉しく思うと共に、 宇宙産業の発展に向けて尽力してまいります」
と述べています。