OneWebがカナダの通信サービス企業と提携。衛星通信依存率100%の地域に高速インターネットを提供へ【宇宙ビジネスニュース】
【2023年2月6日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
低軌道通信衛星コンステレーションの構築に取り組むOneWebが各国企業や政府との提携を進めています。
2月1日、OneWebは、カナダ・オンタリオ州に拠点を置く通信サービス会社Galaxy Broadband Communication(以下Galaxy)に、ヌナブト準州を含むカナダ全域に通信キャパシティを提供する契約を締結したことを発表しました。契約金は5000万米ドル(約65億6000万円)で、契約は複数年にわたります。
Galaxyの創業者兼CEOのリック・ホジキンソン氏は、カナダ北部の北極圏に位置するヌナブト準州のインターネットのアクセス状況を挙げて、低軌道衛星通信の有効性を説明しています。
「カナダにはブロードバンドインターネットにアクセスできない地域が数多くありますが、特にヌナブト準州は衛星接続サービスに100%依存していて、この問題(通信速度が遅い、遅延が大きいなど)は深刻です。OneWebの地球低軌道衛星は、ヌナブト準州の接続性を市場的に改善するものであり、ヌナブト準州にとって重要なマイルストーンとなるものです。Galaxyは2023年末までにヌナブト準州の25のコミュニティすべてを接続することを目標にOneWebサービスの展開を進めています」
さらに、2月3日にOneWebは、カザフスタン鉄道と契約を締結し、カザフスタン全土の鉄道車両や駅向けに通信サービスの提供を検討していくことを発表しました。これに対して、カザフスタンの戦略・デジタル化担当副会長アヌアル・アフメツハノフ氏は
「OneWebの地球低軌道コンステレーションは、鉄道業界のイノベーションとデジタル化の推進に必要な機能を提供することができます」
と述べています。