韓国のユン大統領がNASAを訪問。宇宙探査・科学で連携を進める共同声明に署名【宇宙ビジネスニュース】
【2023年5月8日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
4月25日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は米韓同盟70周年を記念してアメリカのカマラ・ハリス副大統領とともにNASAのゴダード宇宙飛行センターを訪問し、視察しました。
同日に韓国の科学技術情報通信省とNASAは宇宙探査と宇宙科学における連携を強化する共同声明に署名。共同声明のもと、科学技術情報通信省とNASAは、深宇宙通信や月軌道ゲートウェイ、ロボット工学、モビリティ、月面活動のための宇宙医学研究などの月科学および技術研究などの分野での二国間共同プロジェクトを行うための概念研究を実施します。
さらに、韓国の科学技術情報通信省のイ・ジョンホ大臣は「韓国の宇宙開発シーンに新たな変化をもたらすため、年内に宇宙庁を新設する」と述べました。韓国は2022年11月に宇宙経済ロードマップを発表した際にも、政府による宇宙プログラムを統合管理する宇宙庁を新たに設立することを発表していました。
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ハリス副大統領は挨拶で、2022年8月に打ち上げられた韓国初の月探査機「タヌリ」にNASAが開発した特殊カメラが搭載されていることやNASAの商業月面輸送サービスで韓国のペイロードが月面に輸送されることなど、宇宙探査分野での協力関係についても言及しました。
さらに、ユン大統領は「私たちが築く宇宙同盟が、宇宙技術や宇宙経済における協力を超えて、究極的には宇宙安全保障にまで及ぶことを願っています」とコメント。韓国が宇宙開発に本腰を入れている様子がうかがえます。
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参考
VP Harris, South Korea President Yoon Visit NASA Goddard
Readout of Vice President Harris’s Engagement with President Yoon on Space Cooperation