地球観測業界をリードするPlanetが従業員の約10%・117人を解雇。投資収益率の高い事業を強化へ【宇宙ビジネスニュース】
【2023年8月3日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月1日、アメリカの地球観測企業Planet Labsが同社のブログで、従業員の約10%にあたる117人を解雇することを明かしました。
ブログにはPlanet LabsのCEOであるウィル・マーシャル氏が従業員に送ったとされるメッセージが掲載されています。そのなかで、マーシャル氏は人員削減に踏み切った理由をこう説明しています。
「私たち(Planet Labs)の事業は急速に拡大し、現在も急成長を続けていますが、プロジェクトの拡大によりコストと複雑性が増し、その結果、事業のペースが落ちている面もあります。同時に、マクロ経済環境も変化しました。これら2つの理由から、前回の決算説明会でお伝えしたとおり、私たちは事業と使命にとって最もROI(投資収益率)の高い機会に優先的に注力し、収益化を強化するための選択を行います」
「持続可能性の変革、デジタルトランスフォーメーション、そして平和と安全に対する世界的な関心の高まりは、今後数年間にわたって追い風であり続けるでしょう。さらにAI革命が追い風となります。しかし、これらの機会を捉えるためには、私たちは集中し、実行する必要があります。それが、私たちが今日行っている厳しい変化につながるのです」
Planet Labs は2021年にニューヨーク証券取引所に上場することを発表した際に、獲得した資金は新規ソフトウェア開発や機械学習の更なる精度向上、新規顧客開拓に充てると述べていました。
実際に、新たなソリューション開発や、生態系の保護やモニタリングを行うSalo Sciencesと衛星データの解析プラットフォームを提供するSinergiseを買収して顧客開拓に取り組んでいることが発表されていました。
6月8日に発表された第一四半期の決算報告では、売上高は前年同期比31%増の5,270万ドル(75.5億円)、売上総利益率は前年同期の41%を超える53%に拡大していることが報告されています。Planet Labsの動向に今後も注目が集まりそうです。
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参考
Planet Reports Financial Results for First Quarter of Fiscal 2024