国際エネルギー機関(IEA)、世界のメタン排出状況の報告書に衛星データを活用【宇宙ビジネスニュース】
【2024年3月18日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
3月13日、国際エネルギー機関(IEA)は2023年の世界のメタン排出状況を分析した報告書「Global Methane Tracker 2024」を発表しました。
今回の更新では、メタン排出量の測定に衛星データが用いられています。衛星データとそのほかのデータを組み合わせることで、これまでは検出が難しかった化学燃料の漏出が2023年は前年の2022年と比較して大幅に増加したことを特定したといいます。
小型衛星による温室効果ガスの排出量のモニタリングに取り組むカナダのベンチャーGHGSatは、2023年2月に同社の衛星データをIEAのGlobal Methane Trackerに統合することを発表していました。GHGSatは今年もIEAのGlobal Methane Trackerに協力していることを明かしています。
また、IEAはプレスリリースで、非営利の環境保護団体・環境防衛基金(EDF)が開発した「MethaneSAT」が3月4日に打ち上げたことを挙げ、メタンの漏出をモニタリングする衛星が増えつつあり、メタンの漏出の検知と対処が容易になっていることを説明しています。
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参考
After slight rise in 2023, methane emissions from fossil fuels are set to go into decline soon
Satellite-detected fossil fuel methane events, 2023
IEA to use GHGSat data in globally recognized methane tracker