米地球観測企業PlanetがNATOに高解像度衛星データを提供へ【宇宙ビジネスニュース】
【2024年8月26日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月19日、アメリカの地球観測企業Planetは、NATO(北大西洋条約機構)の情報通信システム機関(NCIA)と衛星データを提供する契約を締結したことを発表しました。
NCIAは2023年2月に、NATOの同盟国とフィンランド、スウェーデンとともに宇宙を利用してNATOの全体的なインテリジェンスを向上させることを目的としたイニシアチブAlliance Persistent Surveillance from Space(通称APSS)プログラムを発足させました。このAPSSがPlanetのSkysat衛星による高解像度の衛星データを使用するということです。
宙畑メモ
Skysat衛星は、2013年にSkybox Imaging社から打ち上げられ、現在Planetが21機運用する高分解能地球観測衛星。50cmの分解能を有しているため、より解像度高く撮影することができるのが特徴。サイズは60cmx60cmx95cm、重さ110kg程度の小型衛星です。
地球観測衛星データの世界のトップランナー!Planetに聞く、次世代衛星データ構想と日本のポテンシャル【前編】
NCIAの宇宙技術導入の責任者であるラリッサ・パッテンさんは、衛星データについて以下のように述べています。
「宇宙は、部隊の航行と追跡の支援、ミサイル発射の探知、状況認識の維持、効果的な指揮統制の確保に至るまで、NATOにとって極めて重要です。Plantのサブデイリータスクにより、NATOの関心のある広大な地域の監視を可能にする新たな能力がもたらされ、我々の技術的優位性が強化され、約10億人の平和と安全を守るという使命が果たされます」
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参考
NCI Agency takes critical role in NATO's space-based data collection