Planet Labsと世界的なアグリテック企業のFarmdarが提携、農業向けAI解析の強化により持続可能性と収穫効率の向上を目指す
2025年7月8日、Planet Labsは、世界的なアグリテック企業であるFarmdarと新たな契約を締結したと発表。農業×AI×衛星データの可能性についてプレスリリースで語られた内容をまとめました。
2025年7月8日、Planet Labs(以下、Planet)は、世界的なアグリテック企業であるFarmdarと新たな契約を締結したと発表しました。契約金額は6桁(数十万ドル)とされ、これによりFarmdarはPlanetののベースマップおよびPlanetScopeのアーカイブにアクセス可能となります。
Planetは2010年にNASA出身の科学者3人によって設立され、地球観測衛星の運用では世界最大規模を誇る上場企業です。
Farmdarは、シンガポールに本拠を置く農業テクノロジー企業で、宇宙技術とAIを活用し、世界中の主要農業企業に対して、生産性と収量の向上、サプライチェーンや購買活動の最適化、気候変動への対応などを支援しています。
FarmdarはこれまでもPlanetのデータを活用していましたが、今回の直接提携により、今までの衛星画像では検出・解析が難しかったサトウキビのような作物についても、高頻度の大量のPlanetのデータをインプットすることによって、より高精度な物体検出や耕作可能地の特定、耕作地のマッピングが可能になると考えられます。両社は人工衛星から得られる日次データとAIモデルを組み合わせ、農業分野における持続可能性と収穫効率の向上を目指します。
Planetの社長兼CFOであるAshley Johnson氏は、「AIと衛星データの組み合わせが、私たちの変化する地球に対してどれほど有効な洞察を生み出すかを私たちは見てきました。Farmdarの農業最適化AIとPlanetのデータが合わされば、世界中で農業向けAI解析を強化実現するために必要な頻繁かつ正確な情報を提供できます。」とコメントしています。
Farmdarの最高技術責任者であるDavid Pridmore氏も、「Planetとの直接提携は、Farmdarにとって重要な前進です。PlanetのPlanetScopeデータは、私たちのAIモデルにとって欠かせない、質の高いインプットです。この関係により、世界中のクライアントに対し、タイムリーかつ精度の高い情報を提供でき、経営判断や業務最適化に貢献できます。」とコメントしています。
今回の提携で、衛星データとAIの融合が、従来型農業の進化、食料安全保障、資源効率化といった大きな社会課題の解決に繋がっていくと期待できます。
農業は、衛星データ利活用が進み、市場拡大が期待される業界のひとつです。日本でも農業×衛星データ活用の取り組みが進んでいますが、世界規模での拡大がますます期待されます。
【参考記事】
Planet Signs Partnership with Farmdar to Enhance Global Agricultural AI Analysis – Planet Labs PBC