宇宙での医薬品開発のための新会社SpaceMDをRedwireが設立。対象疾患は関節リウマチ、多発性骨髄腫、糖尿病、歯周病、結核など【宇宙ビジネスニュース】
2025年8月4日、Redwire Corporation新会社「SpaceMD」を設立したと発表しました。宇宙の微小重力環境を活用した医薬品開発を商業化の概要を紹介します。
2025年8月4日、Redwire Corporation(以下、Redwire)は、新会社「SpaceMD」を設立したと発表しました。SpaceMDは、宇宙の微小重力環境を活用した医薬品開発を商業化することを目的としています。
Redwireは、先端技術に特化した統合型宇宙・防衛テクノロジー企業です。デジタルエンジニアリングとAI自動化を活用し、次世代の航空宇宙インフラ、自律システム、多領域作戦の未来を構築しています。ISSに11の研究・製造拠点を持ち、Bristol Myers SquibbやEli Lillyなど大手製薬企業とも共同研究を行ってきました。
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Redwireはこれまで、自社開発の実験装置であるPharmaceutical In-Space Laboratory(PIL-BOX)を用い、国際宇宙ステーション(ISS)でインスリンなど17種類の化合物を結晶化することに成功しています。新会社SpaceMDは、この結晶を製薬企業に販売またはライセンス供与し、新薬や改良薬の開発を可能にする計画です。
設立に合わせ、SpaceMDは米国の革新的製薬企業ExesaLibero Pharmaとライセンス契約を締結しました。同社は骨疾患向けの新規低分子薬「ELP-004」を開発しており、PIL-BOXを用いた結晶化研究を通じて薬の改良を進めます。
対象疾患は関節リウマチ、多発性骨髄腫、糖尿病、歯周病、結核など幅広く、治療法に大きな変革をもたらす可能性があります。
今後、得られたデータはFDA(米食品医薬品局)への治験薬申請に活用され、承認後は臨床試験に進む予定です。この業界初の契約により、SpaceMDは最終的な医薬品が商業販売された場合にロイヤリティ収入を得ることになります。
RedwireのCEOであるPeter Cannito氏は「RedwireがSpaceMDを設立できたことを大変うれしく思います。この新会社は、我々のPIL-BOX戦略の進化を示すものであり、単なる実験段階から本格的な商業化へと進むものです。これは大きな収益機会をもたらすでしょう。ExesaLibero Pharmaとの契約は、微小重力の商業利用における革命的なパラダイムシフトを意味します。Redwire、そして新たに設立したSpaceMDは、微小重力研究の恩恵を製薬企業の製品価値へと変換し、医療の未来を変革し、ステークホルダーに価値をもたらすことを目指しています。」とコメントしました。
ExesaLibero Pharmaの社長兼最高科学責任者であるJohn Barnett博士も「私たちは、微小重力環境が医薬品開発にとってゲームチェンジャーになり得ることを直接見てきました。今回のSpaceMDとの協業を通じて、研究を拡大できることを楽しみにしています。このコラボレーションは、私たちの医薬品開発と創薬のプロセスをさらに前進させ、患者や未来の宇宙飛行士により良い成果をもたらすでしょう。」と期待を示しています。
今回の発表から、宇宙が単なる探査の場から、地上の人々の健康や医療を支える産業基盤へと進化していることを実感できます。