宙畑 Sorabatake

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NASA・CLPSに5社が参加決定のニュースに賛否両論の声【週刊宇宙ビジネスニュース11/18〜11/24】

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今月18日、米国・NASAは商業月面輸送サービス・CLPS(Commercial Lunar Payload Services 以下、CLPS)プロジェクトに新たに5社が追加された旨を発表しました。

今回選出されたのは以下の企業。これらの企業は昨年11月に選出された9社とともに、NASAのタスクオーダーに入札する資格を持ちます。
Blue Origin
Ceres Robotics
Sierra Nevada Corporation
SpaceX
Tyvak Nano-Satellite Systems Inc.,

この発表に対して長官のジム・ブリデンスタイン氏は「CLPS参加企業の拡大によって、イノベーションが促進されコスト削減に繋がります。月面探査のビジョンを現実のものとし、さらに有人火星探査という目標を前進させるための輸送技術の発展を促す機会を提供できることを期待しています」とコメントしました。

SNSでは前向きな意見が多数見受けられる中で、少数のミッションの中で競争が激化することはやはり企業にとっては懸念事項です。

NASAからのタスクオーダーを獲得し、2021年に着陸船の打ち上げを予定している、Intuitive Machines(インチュアーティブ・マシーンズ)のCEOであるスティーブ・アルテムス氏は、タスクオーダーのペースが維持されるのであれば技術の革新と企業間競争に最適である旨を補足しながらも「5社の参入はCLPS契約の価値を希薄化するか」と尋ねられ、肯定の返答をしています。

さらに、CLPS参加企業のFirefly Aerospace(ファイヤーフライ・エアロスペース 以下、Firefly)・ミッション保証担当のシア・フェリング氏は、参加企業間の競争は企業よりもNASA自身に利益をもたらすのではないかと指摘しました。

宙畑メモ


Fireflyは、米国・テキサス州オースティンに本社を置き、中小規模の輸送機の設計、製造、および運用を行う航空宇宙会社です。同社は2014年にFirefly Space Systems(ファイヤーフライ・スペースシステムズ)として設立されました。開発試験等が順調に進んでいるように見えたものの知的財産権に関する訴訟によって破産し、その後Noosphere Venturesによる投資を受けて2017年3月にFirefly Aerospaceとして再設立されました。2018年5月にはウクライナ・ドニプロに研究開発センターを開設し注目を集めました。

Credit/Firefly Aerospace

その一方でフェリング氏は、CLPSによる支援がなければアルテミス計画においては、月面着陸が可能な企業はほとんどないことも主張しました。2007年から2018年にかけて開催された、Google Lunar X Prizeが月面着陸を達成する企業が現れないまま終了したことをあげ、米国政府が再び月面への挑戦を促進することに一役を買っていることは極めて重要であると話しています。

また、FireFlyはいまだタスクオーダーの獲得に至ってはいませんが、フェリング氏はCLPSに参加することによって、人材採用が難しい航空宇宙分野での新たな従業員の獲得に繋がったとコメントしています。採用候補者にとって、CLPSに参加していることは魅力的に見えるとのことです。

2028年まで続くCLPSプロジェクトの参加企業は今後も拡大したり、反対にOrbit Beyondのように辞退する企業が現れる可能性は十分に考えられます。資金面はもちろんのこと各企業が得られるメリットや成長の過程にも注目することで、同プロジェクトの意義に触れることができるのではないでしょうか。

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Firefly Aerospace

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