宙畑 Sorabatake

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欧州宇宙機関、ISS運用延長の意向か【週刊宇宙ビジネスニュース11/25〜12/1】

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ESA、25年ぶりに予算大幅増加

ヨーロッパ宇宙機関(European Space Agency 以下、ESA)は、11月27日から2日間にわたって開催された、閣僚理事会「Space19+」で、向こう3年間の予算を可決しました。その額は144億ユーロで、およそ10%の増加となりました。ESAによると予算の大幅な増加は25年ぶりとのこと。

加盟国の予算負担額と割合 Credit : European Space Agency

今回の予算の負担は、ドイツが22.9%、フランスが18.5%、イタリアが15.9%、英国が11.5%を占めています。ESAでは、GDPに基づいて加盟国が義務的に支払うものがあるほか、「選択参加制」という仕組みが導入されていて、プロジェクトごとに参加を表明して資金提供の割合を自由に決めることができます。

予算の内訳 Credit : European Space Agency

予算内訳で特筆すべきなのは、探査に19億ユーロが充てられたことでしょう。2024年で運用修了を予定しているISSのサポート延期と、NASAが主導となって進める、月軌道ゲートウェイでのプログラムに充てられる予定です。ESAでロボット探査分野のディレクターを務めるデイビット・パーカー氏は記者会見で「この金額はヨーロッパにとっては並外れたものです」とコメントしています。

さらに、コペルニクス計画を進める地球観測プログラムでも要求以上の予算が割り当てられていて、期待の高まりが感じ取れます。

NASA、ISSの商業利用を検討か

ドラゴン宇宙船 Credit : NASA

11月26日、米国・NASAは2024年までにISSの短期商業利用枠の購入を検討していることを明らかにしました。これは低軌道の商業化戦略の一環として、民間宇宙飛行士を年2回、15〜30日間滞在させる計画です。

2024年までに人をISSに輸送できる宇宙船の開発ができる企業の候補としてSpaceXとボーイングの2社があげられますが、両者ともそのような発表はしていません。NASAによると、現在は候補企業からホワイトペーパーの提供のみを依頼していて、正式な提案は2020年3月を予定しているとのことです。

アルテミス計画や月軌道ゲートウェイなど有人月面着陸へ向けて、さまざまなプログラムを進めるNASAですが、スペースシャトルに代わる有人宇宙船の国内生産実現も忘れてはなりません。さらに、民間宇宙飛行士の誕生は宇宙旅行の販売を目指す企業へもプレッシャーをかけることになるのではないでしょうか。

参考記事

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