インフォステラが大樹町に地上局サイトを開設。追加拡大の可能性も。世界の衛星事業者が注目する理由は?【宇宙ビジネスニュース】
【2022年10月31日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
10月19日、地上局ネットワークサービスを提供するインフォステラが、新たに北海道大樹町に地上局サイトを開設したことを発表しました。
大樹町の地上局サイトは、特定の衛星運用者の宇宙ミッションのための専用アンテナのホスティングサービス提供に利用されるということです。
インフォステラはプレスリリースで、「大樹町は、あらゆる軌道傾斜角の衛星の追跡アンテナを設置するのに最適な場所であり、特に低軌道衛星(LEO)にとって魅力的な場所」だと説明しています。
インフォステラのアメリカ法人のCEO トム・ピローネ氏は
「アンテナにグローバルにアクセスしたいというニーズがある中、アジア太平洋地域をカバーするために、日本にも関心が高まっています。大樹サイトに関して、すでに米国の主要な宇宙事業者2社とアンテナを設置運用する契約をしており、ごく近い将来、大樹サイトの追加拡大を必要とするだけのパイプラインがあります。また、米国や世界の宇宙関係者が大きな関心を寄せる沖縄でも大樹サイトと同様、特定の衛星運用者専用の地上局サービスの開始について協議を進めています」
とコメントを発表しています。
2022年3月にインフォステラが大樹町に地上局サイトを構築することを発表した際、設置場所は学校跡地であることに言及していました。大樹町はスペースポートを開港するなど、宇宙産業に積極的な地域です。大樹町町長の酒森正人氏は以下のように前向きなコメントを発表しています。
「学校跡地の有効活用という面においても、地域に新たな施設ができることで、活性化にもつながることから、今後も北海道スペースポートの整備、宇宙版シリコンバレーの形成に向け取り組みを進めてまいります」
インフォステラは、クラウドベースのプラットフォームGSaaS(Ground Segment as a Service)と特定の衛星運用者専用の地上局ホスティングの両サービスの強化を図っていて、今後も世界各地に地上局を増設する計画だということです。