ハイパースペクトル衛星を開発するWyvernが約10.2億円の資金調達を発表。来年前半に衛星の初打ち上げへ【宇宙ビジネスニュース】
【2022年11月7日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
ハイパースペクトル衛星を開発するWyvernが約10.2億円の資金調達を発表。来年前半に衛星の初打ち上げへ
ハイパースペクトル衛星のデータ提供を目指すカナダの企業であるWyvernが新たな資金調達を発表し、リードインベスターのUncork Capitalのほか2社から総額700万ドル(約10.2億円)を獲得しました。Wyvernは、AirbnbやDropboxを輩出したことで知られる世界有数のアクセラレータプログラムY Combinatorの2022年1〜3月期の卒業企業であり、Y Combinatorは今回の資金調達ラウンドにも参画しています。
2018年に設立されたスタートアップ企業であるWyvernは、ハイパースペクトル画像に特化した衛星「DragonEye」の開発に取り組んでいます。今回の資金調達で、Wyvernが開発する最初の衛星3機の開発及び打ち上げに必要な資金が全て集まったことになります。
宙畑メモ:ハイパースペクトルセンサ
ハイパースペクトルセンサとは、通常の光学センサと比較してより細かく観測波長を分割し、細かい波長ごとのデータを取得することが可能なセンサです。
Wyvernの衛星が取得するハイパースペクトル画像は、林業、環境・排出ガス監視、防衛などの産業に貢献すると期待されています。
WyvernのCEOであるChris Robson氏は、今回の資金調達について以下のコメントを発表しています。
The funds we’ve raised go towards the launch and operation of Wyvern’s first three satellites which will provide high quality, 5 m resolution hyperspectral imagery to early adopters in early 2023.
(訳:今回の調達資金は、Wyvernの最初の3機の衛星の打ち上げと運用に充てられます。これらの衛星は、2023年初めに解像度5mの高品質なハイパースペクトル画像を提供する予定です。)
2021年の7月に上場を発表したSatellogicやインド発ベンチャーのPixxelや、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されているHISUI(ひすい)など、近年注目を集めているハイパースペクトルセンサの技術。Wyvernの衛星が提供するハイパースペクトル画像が、顧客にどのような価値を提供していくのか楽しみです。
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