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帝京大学発スタートアップBULLが、Arianespaceと協業。Ariane 6ロケットへのデブリ対策装置搭載に向けて検討を開始【宇宙ビジネスニュース】
【2024年10月7日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
宇宙デブリの発生を防止する装置を開発するスタートアップBULLは10月4日、欧州のArianespaceとの間で、Ariane 6ロケットに対してBULLが開発する宇宙デブリ化防止装置「HORN」を搭載することに関して、実現可能性の検討を開始したことを発表しました。
BULLは、人工流れ星事業などに取り組むALEで宇宙デブリ拡散防止装置開発のマネージャを務めていた宇藤恭士さんが2022年11月に設立したスタートアップ企業です。2023年7月にはALEが宇宙デブリ対策事業を終了し、当該事業に関連する資産をBULLに譲渡することを発表しました。
また、BULLのCTOの河村政昭さんは帝京大学 理工学部航空宇宙工学科 准教授を兼務していて、同大学宇都宮キャンパスの研究資源や施設の提供、ベンチャーキャピタルである帝京ナレッジ・イニシアティブのKITT-1号ファンドからの出資など、さまざまな支援を受けています。
Arianespaceの新型のAriane 6ロケットは、7月9日に初打ち上げに成功しました。改良を行い、2024年内に2号機の打ち上げが行われる予定です。Ariane 6ロケットでは、以前のAriane 5ロケットではできなかった衛星の軌道投入後に上段を軌道離脱させる取り組みを行うなど、Arianespaceは持続可能な宇宙空間を実現するための取り組みにも力を入れています。
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参考
株式会社BULL、アリアンスペース社との間で、宇宙デブリ化防止装置「HORN」の Ariane 6 ロケットに対する実現可能性について検討を開始