軌道間輸送機を開発するImpulse Space、シリーズBラウンドで約224億円を調達。開発の加速へ【宇宙ビジネスニュース】
【2024年10月7日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
軌道間輸送機(宇宙空間で顧客となる衛星を所定の軌道に輸送するサービス)を開発するスタートアップImpulse Spaceは10月1日、シリーズBラウンドで1億5000万ドル(約224億円)を調達したことを発表しました。
資金調達を主導したのは、SpaceXにも出資しているサンフランシスコに拠点を置くベンチャーキャピタルFounders Fundです。今回の調達により、Impulse Spaceのこれまでの資金調達総額は2億2500万ドルに達しました。
Impulse Spaceは、SpaceXでファルコン9ロケットのMerlinエンジンの開発に主任設計者として貢献したトム・ミューラーさんが2021年に創業した企業です。2023年11月には「LEO Express-1」でキューブサット衛星(顧客は非公開)を載せた軌道間輸送機をSpaceXのライドシェアプログラムで打ち上げ、軌道投入に成功しました。
2024年8月には、静止軌道への小型衛星の相乗り打ち上げプログラムの構想を発表しました。
SpaceX出身技術者が創業のImpulse Space、静止軌道(GEO)への小型衛星の相乗り打ち上げを発表【宇宙ビジネスニュース】
Impulse Spaceは今回調達資金を軌道間輸送機の改良や5トン以上のペイロードをLEOからGEOに24時間以内に輸送できる能力を持つキックステージ「Helios」の開発など、予定しているマイルストーンの実行に充てるということです。
また、LEO Express-1に続く次回の低軌道への軌道投入ミッション「LEO Express-2」では、複数の顧客のペイロードを輸送する予定で、現在準備が進められています。
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参考
Impulse Space Secures $150M In Series B Funding To Support Ongoing Company Momentum