【講演会場は常に満席】参加登録者500名超! 宇宙業界特化のキャリアイベントレポート
2025年7月5日、宇宙業界特化のキャリアイベント『SPACETIDE Career Connect 2025 Summer』が開催されました。会場の雰囲気と特別セッションで語られた宇宙ビジネスへの期待について紹介します。
2025年7月5日、宇宙業界特化のキャリアイベント『SPACETIDE Career Connect 2025 Summer』が開催されました。
参加登録者は500名を突破し、宇宙関連の企業や官公庁、スタートアップなど26社が出展する大きなイベントとなりました。

(1)全職種に門戸が開かれる宇宙ビジネス業界
今回、出展していた26社のブースには「ビジネス・事業開発」「エンジニア・技術」「コーポレート」「その他」「学生」という5種類の募集職種が書かれた立札がおかれていました。非常に興味深かったのは、「エンジニア・技術」に限らない、複数の募集職種の立札をおいているブースが非常に多かったということです。

実際に各社のブースを周り、どのような職種を募集しているのかを伺ったところ「すべての職種で募集しています」「転職者のスキルや知識についても、入社時点で必ずしも備わっている必要はなく、学生も含めて入っていただいてから身につけてもらう。重要なのはそのようなスキルを身に着けることができる素養があるかの見極め」といった回答をいただきました。
これまではロケットや人工衛星の機体開発に携わる方が多い印象を持たれやすい宇宙産業ですが、宇宙ビジネス時代にはお客様と会話し、サービスを企画・販売する事業開発、会社を支えるコーポレートといった様々な人材が求められます。
宙畑でも宇宙業界以外から宇宙業界に転職された方に焦点を当てたインタビュー連載「Why Space」にて、様々な職種の方をインタビューしておりますので、ぜひご覧ください。
(2)講演会場は常に立ち見が出る満席! 参加者が真剣に聞き入る26社の会社紹介
出展ブースの他に、SPACETIDEのCEOである石田真康さんによる「宇宙ビジネスの現状と求める人材」という題目のインプットセッションや各社の事業紹介が行われる会場がありました。13時から始まった本イベントですが、その会場は開始直後から最後まで、立ち見が出るほどの満席でした。

会場の多くの参加者の方が26社の事業紹介に真剣に耳を傾け、メモを取っている姿が印象的でした。
(3)宇宙兄弟が始まるきっかけに宇宙ビジネスへの期待があった?
当日は「キャリアの選択肢に“宇宙”がある時代へ~ 夢、現実、そして次の一歩 ~」というテーマで『宇宙兄弟』初代・編集担当であり、株式会社コルクの代表取締役・佐渡島庸平さん、宇宙飛行士の山崎直子さん、石田真康さんの特別トークセッションも開催されました。

石田さんからはなぜ宇宙に人は魅かれるのか、宇宙ビジネスの可能性、日本人が世界と比較して宇宙好きな人が多いことについて佐渡島さん、山崎さんへの質問が行われました。お二人の回答から、キャリアとして宇宙ビジネスに飛び込む面白さや期待に気づいた参加者の方も多かったのではないかと思います。
本記事では、印象に残った会話をいくつかご紹介します。
ドラゴン桜の担当編集をしていた頃、次のテーマを何にするかを考えはじめていた時期に、インターステラテクノロジズの創業者である堀江さんと話す機会があり、堀江さんから「インターネット産業はインターネットという基盤の上に様々なサービスが無数に現れて盛り上がった。ロケットで人工衛星を1000~2000万円という金額で打ち上げることができる時代になれば、インターネット産業と同じようなことが起こる。それを(堀江さんは)やりたいんだ」と話をしたことを紹介されました。
今でこそSpaceXが宇宙への輸送コストを下げ、多くの人工衛星が宇宙空間にあり、様々なサービスが提供されています。その代表例のひとつが同じくSpaceXが展開する低軌道通信衛星コンステレーションStarlinkで、今や契約者数が500万件を超える巨大なビジネスとなっています。
おそらく佐渡島さんと堀江さんが上述の話をされたのは2005年頃と推定されますが、その頃は宇宙活動法も制定されておらず、宇宙ビジネスという言葉すら日本では浸透していなかった時期。そのような時期からすでに宇宙ビジネスの可能性に気づいていた堀江さんの言葉もひとつのきっかけとなり、宇宙兄弟という漫画作品が生まれたことに非常に感銘を受けました。
また、山崎直子さんは、内閣府宇宙政策委員会委員や一般社団法人Space Port Japanの代表理事など、宇宙業界における様々な役職を務められています。宇宙飛行士の活動に集中していた時期と比較して、「これまで関わりがなかった様々な方と話すことが非常に増えた」と話されました。
JAXAや三菱重工、三菱電機、NEC、IHIといった宇宙産業に関わる重厚長大な産業のみでなく、近年は、様々な産業が宇宙技術を活用した新事業に興味を持ち、また、宇宙ベンチャーもどんどん生まれています。まさに宇宙ビジネス時代が到来していることの現れなのかもしれません。
他にも、石田さんは宇宙ビジネスに関りがなかった130を超える企業が自社内に宇宙産業に関わる部門を持っていること、また、その中には宇宙ビジネスい興味を持つ人が多くいることなどを紹介し、宇宙産業への期待がますます高まっていることを紹介しました。
(4)宇宙ビジネスの世界のトレンドが分かるSPACETIDE 2025がいよいよ開幕
大盛況だった『SPACETIDE Career Connect 2025 Summer』は、2025年7月7日-10日の4日間で開催される『SPACETIDE 2025』の最初のサイドイベントでした。
SPACETIDEは、2015年に開催された第1回から数えて今年で10回目の開催となります。「The Next Decade; Unlockjing Space for All Humanity」をスローガンに、世界各国から宇宙ビジネス界、また、他の産業からも多くの著名人が集結します。
ぜひ宇宙ビジネスの新しい潮流を知ることができる場で、その潮流をつくる一員として参加してみませんか?