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環境・持続可能性

宇宙を活用した野生動物追跡プロジェクトが約3年ぶりに再始動へ! 2027年までに6機の小型衛星によるコンステレーション構築へ【宇宙ビジネスニュース】

2025年11月19日、世界の野生動物を宇宙から追跡するシステムICARUS(イカロス)が、約3年ぶりに運用を再開するために、小型衛星GENA-OTに搭載されて打ち上げられました。

2025年11月19日、世界の野生動物を宇宙から追跡するシステムICARUS(イカロス)を約3年ぶりに運用再開するため、SpaceXのFalcon 9で打ち上げられました。今回のICARUSは、熱赤外観測衛星を手がけるOroraTechが製造した、小型衛星GENA-OTに搭載されています。

ICARUSは、動物の保全などの目的で、ドイツのマックス・プランク研究所が立ち上げた野生動物追跡システムです。動物に装着した小型センサーが発信する高精度な位置情報を、衛星経由で取得します。これにより、動物の移動ルート、繁殖行動、生存戦略などに対し、新たな洞察が得られるようになりました。

このシステムは、2020年から国際宇宙ステーション(ISS)に設置されたコンピュータと大型アンテナで運用されていましたが、ロシアの地上局を使用していたため、2022年のウクライナ侵攻を機に運用が停止していました。

今回、技術を根本から見直し、システム全体を10cmサイズに小型化することで、衛星に搭載できるようにしました。

GENA-OT衛星の画像。太陽電池パネルが収納され、ICARUSのアンテナが側面に折り畳まれた状態になっています
太陽電池パネルを全て展開したGENA-OT衛星の画像 Source : https://www.talos-space.de/news/icarus-returns-to-space/

この開発を担ったのは、IoT技術や野生動物追跡技術の分野を手がけるドイツの企業TALOSです。ISSで運用されていた旧型と比較して、以下のような点が大幅に改善しています。

・消費電力を10分の1に縮小
・センサーの同時読み取り数を4倍に向上
・データのダウンロードを高速化

今回の衛星は3か月の試験を終えると本格運用に移行し、渡り鳥、コウモリ、ウミガメ、大型哺乳類などに対し、地球規模の追跡を再開します。ICARUSは現在、国際的な生物多様性観測ネットワーク「Move BON」に組み込まれており、収集データは生態系の健全性評価や保全政策の立案に活用されます。

また、TALOSは動物に装着する小型センサーの開発も進めています。今回のセンサーは衛星との双方向通信により、動物から取り外すことなく、遠隔でソフトウェアの更新が可能となっています。今後は位置情報に加えて、温度・湿度・気圧・加速度なども計測可能となる予定です。これにより、動物の健康状態や行動をより詳細に評価できるようになります。

ICARUSは今後、2026年に2機目の衛星を打ち上げ、最終的には2027年までに6機の小型衛星によるコンステレーション「ICARUS 2.0」を形成する計画です。これにより、データの取得頻度が大幅に向上し、動物の健康状態の高精度モニタリング、伝染病の早期発見、生態系変化の予測などが可能になる見込みです。

プロジェクト発起人であるマックス・プランク研究所のMartin Wikelski氏は、「ICARUS 2.0によって、私たちは文字通り“地球規模の観測所”を構築しようとしています。動物たちのシグナルを、世界中どこからでも“ほぼリアルタイム”で受信できるようになり、生物多様性や環境変化について、これまでにない洞察が得られるでしょう。」とコメントしています。

宇宙技術を活用した野生動物のモニタリングが、本格的に再始動します。これにより、動物の保全のみならず、伝染病の拡大など、私たちの生活に大きく影響する疫病にも、迅速に対応できると期待されます。

参考記事

ICARUS returns to space - Talos

‘Game changer’: System to track small animals from space takes flight—again | Science | AAAS

GEO BON

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