軌道上ガソリンスタンド計画に注目!【週刊宇宙ビジネスニュース8/27~9/2】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

今週は小型ロケット、小型衛星のデータ利用、軌道上サービスと、打ち上げから衛星の運用後まで、これからの宇宙利用の流れがイメージできそうなニュースを紹介します。

【今週(8/27~9/2)のピックアップ】
1.6人で小型ロケットを3日で組み立てられる時代へ
2.農作物事例で考える、衛星情報が取引の概念を変えるか
3.宇宙でのガスステーション(ガソリンスタンド)計画とは

1. 6人で小型ロケットを3日で組み立てられる時代へ

India’s 19 upcoming missions, and ISRO’s Small Satellite Launch Vehicle (SSLV) -SpaceTech Asia

インドの小型ロケットであるSSLVの構想自体は前から発表されていましたが、来年打ち上げを目指して開発が進んでいる、という発表が先日行われました。

Said Sivan, “This will be a very innovative vehicle. It will be assembled in 72 hours – 3 days – instead of the 60 days. Instead of 600 people, it will be done by 6 people. And the whole activity will be done mostly autonomously.”

従来までは、600人で60日かかっていたロケットの組み立て作業が、6人で3日でできるようになるということで驚きです。

これだけ短期間・少人数で組み立てることができれば、安く・早く・希望の軌道に投入可能である、という小型ロケットのメリットを実現することができそうです。

現在小型ロケット打ち上げを計画している企業はさまざまにあります。
既に打ち上げ実績のあるRocket Labが一歩リードしているようにも感じられますが、現在は改修のために打ち上げがストップしています。

SSLVが来年に打ち上げを成功した場合、各社がどのように動くのか、各衛星メーカはどことパートナーシップを組むのか、要注目です。

各社が検討している小型ロケットに対する期待値
Image credit:SpaceWorks

2. 衛星情報が取引の概念を変えるか

Spoiler Alert! Satellite Data Offers Commodities Traders Early View of Crop Acreage -planetlabs

超小型衛星のコンステレーションを構築しているPlanetの農作物に関する記事です。

衛星で取得している情報(赤色の波長帯と近赤外の波長帯の反射率の情報)を利用することで、NDVIと呼ばれる植生指数を計算することが可能になります。

「植生指標とは、植物による光の反射の特徴を生かし衛星データを使って簡易な計算式で植生の状況を把握することを目的として考案された指標で、植物の量や活力を表しています。」 国土地理院のページより引用

Planetは同一地点を同一日に何度も撮影することが可能であるため、コーンや大豆の成長時のNDVIの時間変化の情報を取得することができるようになりました。

そのため、農業従事者にとっては、例えば広大な土地で栽培している植物の適切な収穫時期を知ることや、適切な水やりのタイミングが分かったりと、効率よく作物を育てることが可能になります。

また、作物を購入する立場の企業にとっては、遠隔で育てられている作物の栽培状況を、現地に行くことなく正しく認識することができるようになるため、適切な(先物)取引を行うことができるようになります。

衛星は軌道上をくまなく観察することが可能なため、当然他分野にも応用が可能と考えられます。
今後このような事例が増え、一般企業(や個人)でも衛星データを利用することが当たり前になるかもしれません。

3. 宇宙でのガスステーション計画

Startup plans “gas stations” for satellite servicing - SpaceNews.com

Orbit Fab plans to develop "gas stations" in Earth orbit that can support satellite servicing companies.
Image credit:Orbit Fab/Bryan Versteeg

軌道上にガスステーションを打ち上げる計画を立てているOrbit Fabは、来年早々に衛星を打ち上げる計画を打ち出しました。

資金調達にも成功したようです。なお、Orbit FabのCEOは宇宙資源探査Deep Space Industriesの元CEOであるDaniel Faber氏です。

現在、コンステレーション構築については、既に構築中のPlanetやSpireを始め、計画段階のSpaceXやOneWebを始め、さまざまにあります。

大型衛星を対象とした、補給期から能動的にアプローチする燃料補給に関する検討は既にありました。
ただし、今回のターゲットは、軌道上の衛星が燃料補給機に向かって接近していく、ということで、従来検討されてきたサービスとは異なります。

各社が衛星を軌道上に配置していく中で、燃料が切れたら新しい衛星を軌道に定期的に投入し続けることと、軌道上で補給して軌道上に長く存在できるようにすること、どちらがより効率が良いのか、システム検討を突き詰める必要がありそうです。

最初のミッションはNASAと共同で行われるようですが、どのような内容になるのかはこれから一月以内に追加発表があるようなので、続報を待ちましょう。

【参考記事】
インターステラテクノロジズの小型ロケットMOMOの先にあるもの
農業×宇宙(人工衛星利用)、現状と事例【宙畑業界研究Vol.1】
大量の衛星画像で収穫量アップ:宇宙を通して精密農業を支えるには
軌道上サービスは宇宙市場の起爆剤か~企業、市場規模、需要と課題~