スペースデブリマッピングのスタートアップ、LeoLabsがニュージーランドにレーダーを設置
スペースデブリのマッピングを行い、スペースデブリと衛星との衝突回避の情報を提供するスタートアップ、LeoLabsがニュージーランドにフェーズドアレイレーダーを設置することをニュージーランド政府と合意しました。
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スペースデブリのマッピングを行い、スペースデブリと衛星との衝突回避の情報を提供するスタートアップ、LeoLabsがニュージーランドにフェーズドアレイレーダーを設置することをニュージーランド政府と合意しました。
スペースデブリとは?
軌道上にある廃棄されたロケットや衛星の破片などであり、10cm以上のものは約20,000個、10cm未満1cm以上のものでは約50万個も軌道上を回り続けていると言われています。過去にはアメリカの通信衛星とロシアの軍事衛星が衝突した事例もあり、これからの宇宙開発における一つの課題となっています。デブリの空間密度がある臨界値を超えると、デブリ同士の衝突が生じ、さらにデブリの数を増やすという、デブリの自己増殖も懸念されています。
スペースデブリのマッピングを目指すLeoLabs
カリフォルニアに本社を構えるLeoLabsは、現時点でテキサス、アラスカにフェーズドアレイレーダーを設けていて、低軌道上にある10cm以上の物体を感知することができます。LeoLabsはさらなるフェーズドアレイレーダーを2019年にニュージーランドに設置する予定です。今後、世界中に合計6つのレーダーを設置し、2cm以上の物体を感知できるようにしていく計画です。このレーダーによって、約25万個以上の物体をマッピングできると考えられています。スペースデブリ検知のためのレーダーは現在、北半球に偏在しており新たに南半球にレーダーを設置することで、スペースデブリマッピング精度を上げることが期待されています。
ロケットや衛星が注目されがちな宇宙ビジネスですが、これからは軌道上の物体マッピングなどのマーケットも大きくなっていくでしょう。
今週の英語フレーズ
The data quality is not as good in the Southern Hemisphere. The new radar is a big step toward improving the quality of collision-prevention and tracking services.
南半球でのデータの質は良いものではない。新レーダーは衝突回避と追跡サービスの質の向上への大きな一歩になる。
出典元
2018/09/30,SpaceNews,LeoLabs forges agreement with New Zealand,
2018/09/30,スペースデブリとは | IDEA OSG 1,