ニュース 2020/3/9

Axiom SpaceがISSへの商用宇宙飛行サービスを2021年に提供【週刊宇宙ビジネスニュース 3/2〜3/8】

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Axiom 商用宇宙飛行ミッションでSpaceXと契約を締結

3月5日、米国のベンチャー企業・Axiom Space（アクシアム・スペース）社は、SpaceX社とISSへの商用乗組員輸送ミッションの契約を締結したことを発表しました。ISSへの商用宇宙飛行サービスの提供は民間企業としては初めてのことです。

飛行時間は10日間で、Axiom Space社の船長1名と民間宇宙飛行士3名をSpaceX社の宇宙船で、2021年後半から年2回打ち上げる予定とのことです。

今回の契約の料金については明らかにされていませんが、NASAはクルードラゴンでの輸送に1人あたり5,500万ドルを支払う予定です。また、すでに契約は撤回されていますが、Bigelow Aerospace社とは当初、一人当たり5,200万ドルが輸送費用として提示されていました。

また、NASAは昨年に、民間旅行者へ最大30日間にわたってISSを開放するプログラムを発表しています。このプログラムでは、旅行者がISS搭乗中に必要とするサービスの提供会社に、旅行者一人当たりにつき35,000ドルが補助されます。

同社のCEOであるマイケル・サフレディーニ氏は、「輸送手段の調達は目標（商用宇宙飛行サービスの提供）を遂げるための大きな進歩である」「この取り組みでSpaceX社と協力できることを嬉しく感じている」とコメントしています。

ガンプラが宇宙へ。搭載衛星の打ち上げが成功

3月6日（米国時間）、人気アニメ「軌道戦士ガンダム」のキャラクター模型を乗せたSpaceX社のドラゴン補給船が打ち上げられました。

本企画は、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が東京大学およびJAXAなどから協力を得て実施。東京2020大会の期間前から期間中にかけて、地球周回軌道を飛行しながら、東京2020への応援メッセージを地球に向けて発信するというものです。

模型は、東京大学が中心となって開発した、超小型衛星「G-SATELLITE」に搭載されていて、4月下旬に宇宙空間に放出、5月上旬に最初のメッセージが発信される予定です。打ち上げ成功を受けてSNS上では、ファンの喜びの声が散見されました。

Adidasが宇宙でソールの製造実験を実施

さらに、今回打ち上げられたドラゴン補給船には、靴メーカー・Adidasによるソールの製造実験を行う装置も搭載されています。

同社の靴のミッドソールは、数千にのぼる小さな泡球を融合し製造されています。今回の実験では、宇宙空間で製造した場合にはどのような変化があるのかを調査しようというものです。

Adidasのエンジニアであるヘンリー・ハンソン氏はプロモーションビデオの中で、アスリート向けにパフォーマンスと快適さの向上を提供することが目標であるとコメントしています。

今回の打ち上げは、最初のバージョンである現行のドラゴン宇宙船の最終飛行を記念するものでした。NASAはSpaceX社との官民パートナーシップを通じて、ドラゴン宇宙船とファルコン9の開発に3億9,600万ドルを提供しています。

昨年12月に打ち上げられた、バドワイザーで知られるアンハイザー・ブッシュ社の実験装置に続いて、民間企業のペイロードが搭載されることとなりました。民間企業による輸送であるからこそ実現できる実験であり、今後このようなペイロードは増えていくのではないでしょうか。

また、民間企業が宇宙空間を利用し始めることで、ブランディングやマーケティングにどういった効果を及ぼすのかにも注目したいところです。

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