宙畑 Sorabatake

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民間主導で人類は再び月へ【週刊宇宙ビジネスニュース9/17~9/23】

今週一番わくわくしたニュースはやはりこのニュースでしょう!

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

今週はわくわくするような話題がいくらかありました!

民間主導で人類は再び月へ

Meet SpaceX’s first round-the-moon tourist, Yusaku Maezawa https://www.wsj.com/articles/one-small-step-for-a-flashy-japanese-billionaire-one-giant-leap-for-spacex-1537246408 @WSJさんから
SpaceX、民間月旅行の購入者を前澤氏と発表。イーロン・マスクが矢継ぎ早に構想を打ち出す背景(秋山文野) – Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20180918-00097322/

イーロンマスク氏のロケットに乗り、前澤友作氏が月を目指す Credit : CHRIS CARLSON/ASSOCIATED PRESS

プロジェクト名はDear Moon。

Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作

@yousuck2020

I choose to go to the moon, with Artists. https://dearmoon.earth 

#dearMoon

I choose to go to the Moon, with artists – Yusaku Maezawa

dearmoon.earth

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前澤氏以外に、6~8人の画家や歌手、映画監督などのアーティストを引き連れていくそうです。そのため、行くまでの情報発信や、月に行った際にどのような感想を頂くのか、そして帰ってきてからどのような催しがあるのか、などなど楽しみなことが盛りだくさんです。

SpaceXのイーロンマスク氏はVRで動画配信するよ、と伝えています
現在、ANAがスポンサーとなっているANA AVATAR XPRIZE*1が開催もされており、VRと言えども、宇宙へ行けない私たちも、今までとは一味違う楽しみ方ができそうです。

プロジェクトの詳細についてはこちらから。

AVATARXの概要 Credit : ANA/JAXA

*1…「AVATAR X」は、今後の宇宙関連市場の大幅な拡大を見据え、宇宙関連事業への参入を目指す企業・団体と、ANA・JAXAが連携し、「AVATAR(ANAグループが描く瞬間移動手段※1)」を活用した、以下をはじめとした宇宙関連事業の立ち上げを目指すプログラムです。
本年3月に発表しました「ANA AVATAR VISION※2」と、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)※3」における「人類の活動領域を拡げるテーマ群」の一環として、本日より始動いたします。
図および文章、JAXAプレスリリースより引用

持続可能な宇宙開発に向けて、宇宙ゴミ回収実験

衛星が多く上がることで、私たちの生活はとても豊かになりました。
便利になるほど課題が生じるのは地上も宇宙も同じです。
運用を終えた衛星やロケットは、デブリと呼ばれる宇宙のゴミとなって、すでに問題となっています。というのは、宇宙ゴミは数多くあり、小さいものまで含めると、数十万個あると言われています。

低軌道にある宇宙ゴミ。黄色い点1つ1つが宇宙ゴミを表す Credit : JAXA

宇宙ゴミ(スペースデブリ)の数はどのくらいですか?1年間に落下する数はどのくらいですか? | ファン!ファン!JAXA! http://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/338.html@fanfunjaxaさんから

しかし、宇宙がゴミだらけになると、先のニュースのように人が宇宙へ行こうとしたときに、ぶつかるリスクが増え、危ないと言われています。そこで、宇宙ゴミを回収する動きが出てきています。
日本ではアストロスケールというベンチャーが、海外だとイギリスのSSTL(エアバス)が該当する企業です。

SSTLは、宇宙ゴミを回収するための実証実験を軌道上で実施しました。
その動画がこちら。

ターゲットとなる宇宙ゴミを、網で確保できている様子が見て取れます。今回はダミーではありますが、ターゲットを認識し、ターゲットに接近した上で、ターゲットに向けて網を投げかけて回収できている、ということで、実際の宇宙ゴミの回収もできそうです。あとは投げかけた網をまとった宇宙ゴミが、どの程度の早さで大気圏に突入するか、ということでしょうか。

このように、宇宙ゴミを回収する技術は着々と蓄積されていますが、まだ回収するための法整備が進んでいないような状況です。というのは、運用を終了した衛星を回収する権利についての取り決めがまだないのです。また、衛星を回収する費用を誰が払うのか、ということも課題となります。技術だけでなく、法律やビジネスなどの側面での検討も、この問題を解決するためには必要となります。

衛星を利用した経済動向調査の加速に向けて

Planet Strikes Landmark Deal with Orbital Insight to Address Financial Markets https://www.planet.com/pulse/planet-strikes-landmark-deal-with-orbital-insight-to-address-financial-markets/ @planetlabsさんから

衛星画像をデータ解析することで、経済指標の算出などを行っているオービタルインサイトが、130機以上の衛星を軌道上に有するプラネットから衛星画像を複数年にわたって購入し続ける契約を結んだようです。
プラネットは衛星機数が多いため、他の衛星に比べると、高頻度に地上を観測できることが特徴です。今回の複数年契約を結んだという結果からは、観測する分解能よりも、観測頻度が経済指標算出において重要であるということが示唆されているように思われます。

衛星画像を利用した経済指標と言えば、1つ目に取り上げたSpaceXのイーロンマスク氏が経営するもう1つの会社であるテスラに関して、以下のような話題がありました。

【独占取材】テスラの生産体制を空から丸ハダカにした米テックのスゴさ
連載:米国経済から読み解くビジネス羅針盤 |ビジネス+IT https://www.sbbit.jp/article/cont1/35465 #sbbit @bitsbbitさんから

衛星データや航空機での撮影情報を解析することで、車の生産台数を監視し、契約違反を起こしそうかどうかを見る、というものです。様々な自動車のラインナップがある中で、特定モデルを抽出したかったため、今回は高解像度の画像を利用しています。
高解像度な画像はまだまだ高いのですが、テスラの株主たちは、契約違反するかどうかによって、株価が大きく変動するため、コストをかけてでも、生産台数が目標に達するかどうかを知りたかったのです。

このように、必要に応じて必要な質の画像を利用することが今後ますます大切になっていくでしょう。

【参考記事】