宙畑 Sorabatake

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世界初! 貨物列車の自動運転280km走破【週刊宇宙ビジネスニュース9/3~9/9】

毎週宇宙ビジネスの気になる話題をピックアップする本連載!今週は2018/9/3~9/9までの話題です。

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

今週は宇宙を利用することで今の生活がちょっと変わるかも?と期待できそうなサービスに関する記事をピックアップしました。

1.ディープラーニングを用いたデータ解析

Deep Learning and the Explosion of Geospatial Data-medium.com

近年、多くの地球観測衛星が打ちあがっています。
2017年にPlanetはDoveを88機一度に打ち上げたことで話題にもなりました。
衛星画像の数が増えたことで機械学習のための教師データが増えたこと、さらに画像解析技術の向上により物体の同定精度が上がったことなどから、衛星画像から自動で物体検出をする、という事例が増えています。

The diminishing error rate in the annual ImageNet competition from 2011 to 2017 Credit : Electronic Frontier Foundation

Orbital Insight社による石油タンクの検出事例が有名ですが、船や飛行機、プールなどの自動検出ができるようになっています。
他にどのようなものを自動検出できるようになると面白いでしょうか?

解析ツールを搭載した衛星画像をまとめたデータプラットフォームも増えてきているため、私たちも衛星情報を解析しやすくなってきています。
まずは手始めに試してみてはどうでしょうか。

2.衛星を利用した航空管制サービス

AIRTRACKS-business.esa.int

宇宙産業を国として後押ししているルクセンブルク発のスタートアップ企業LuxSpaceが行おうとしている、航空管制サービスの紹介です。

船や飛行機の位置などの情報を衛星で回収するサービスがありますが、船の位置情報を収集しているのがAIS、飛行機のはADS-Bと呼ばれます。
いずれも海洋上を移動することになるため、衛星を通して情報収集した方が効率が良いのです。
どこに自分の船や飛行機があるのか、ということを把握することや、どのような航路を選ぶことが適しているのか、ということを知る上で有用です。

LuxSpaceについては、先日のニュースでも取り上げたロフトオービタルのパートナーになっていることでも話題になっています。

3.世界初! 貨物列車の自動運転280km走破

3INSAT DELIVERS-business.esa.int

自動運転走行技術で鉱物資源の輸送の効率化に取り組むRio Tintoがオーストラリアで世界初の長距離貨物列車の自動運転に成功したようです。
日立の関連企業でもあるイタリアのAnsaldo STSという会社が率いるESAのビジネス資金援助プロジェクト3INSATが資金援助を行っています。

衛星通信を介して位置や速度、進行情報などを共有し、人の多いエリアや踏切では地上のカメラも併用しながら、28,000トンの鉱石を積んで、280kmの距離の走破したそうです。

広大な土地を持つオーストラリアでは、一度の資源輸送に要する距離や時間も大きく、自動化できることは非常に重要なことになります。
単純に位置情報のみから自動運転に踏み切るのは難しく、現場にあるどのような情報を組み合わせれば、人が運用しているときと同等な(安全な)サービスを提供できるのか、考えることが大切です。

【参考記事】