国連も宇宙ビジネスをサポート、将来の宇宙安全保障に注力
今までにルールが存在していなかった宇宙分野の利用方法について、宇宙法を考えるワークショップが開催されたようです
世界の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部が、易しく解説!
国連が宇宙ビジネスの土壌を整備する
今までにルールが存在していなかった宇宙分野の利用方法について、国際協力の促進のために、国連宇宙部*1は、宇宙空間での安全保障、サービスの持続可能性、サイバーセキュリティ、発展途上国の参入などの観点から宇宙法として制定していくべきことについて議論するワークショップを開催した。ワークショップでの議論を基に勧告が作成され、今後は国連総会でも議題として挙げ、国連宇宙局が中心となって宇宙法の制定を進めることで、宇宙空間での各国の機関、企業などの活動を守っていく見込みである。
機関、企業の宇宙進出を促進するため、宇宙利用については地上と同じく国内と国際的な二種類の法律によって守られている。宇宙空間では、利用可能なリソースがまだ少ないこと、国境などが存在せず動的に位置関係が変わることから国際的な協力が必要不可欠である。最近、宇宙利用の注目から国および個人の宇宙への進出は急速に進んでいるが、一方で空域と宇宙空間との境界、スペースデブリについてなど、地球上の法律との整合性の維持や最近の宇宙利用から顕在化した問題への対応が両国内および国際的な宇宙法に求められている。
今後の宇宙法制定の促進により、法的に宇宙空間が整備され、より国や個人が守られる。更に新規に個人や発展途上国などの参入も増加し、宇宙産業基盤の強化に伴って宇宙利用への初期投資のハードルが下がっていくことが予想される。法律という観点から宇宙をどのように活用していくことが国際的に考えられているかを予見することで新しいビジネスが見えてくるかもしれない。
用語解説
*1 United Nations Office for Outer Space Affairs: UNOOSAは、開発途上国が開発のために宇宙技術を利用できるように支援する。
今週の英語フレーズ
The space arena is rapidly changing as more and more actors – both governmental and private – become active in space technology and exploration.
宇宙の土俵は登場人物がより増えたことで急激に官民共に宇宙産業にアクティブになってきている。