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パラグアイの森林消失問題

2014年にメリーランド大学が明らかにした研究によると、パラグアイのChacoの低木林は地球上でもっとも速いスピードで、森林を消失しているそうだ。原因は色々あるが、大きく寄与しているのは大豆栽培と牧畜である。農家は自身の土地の25%を森林として残さなければならないというルールがあるものの、農民は政府主導の農業規制に従わないという。

このような世界中で起こる森林消失問題に対処するため、The Deforestation Impact Estimation Project (DEIMES)が発足した。DEIMESはパラグアイのような熱帯地域で、どのように森林の範囲が変わるのか、森林消失による環境への影響と、どのように進行するのかなどを調査するプロジェクトだ。

人工衛星でできること

Deimos-1という衛星はDEIMESプロジェクトに対し、高頻度、高品質な衛星データを提供し、プロジェクトの目的達成に貢献した。
– 情報の監視、解析、評価に関する信頼のおけるシステムを構築し、森林消失によるCO2増加量の測定を可能にした。

• 森林消失および気候変動と戦う柔軟な国際プログラムの設立に貢献した。
• ノルウェイの国際機構森林イニシアチブを考慮するすべての国で共通の監視手順を定義した。

また、ESA(欧州宇宙機関)の熱帯雨林のプロジェクトでDeimos-1は、南米10か国、東南アジア7か国の全域を、被雲率(*1)20%以下で撮影した。2010年だけでも1,000枚以上の写真が取得されプロジェクトに提供された。

UrtheCastとGlobal Forest Watchの取り組み

UrtheCast社のDeimos-Imagingチームは、UrthePlatform(UrtheCastのクラウドベースのプラットフォームで、APIに適している)はGlobal Forest Watch(GFW)のような機関が森林を監視することを可能にしている。

GFWはだれでも世界中の木々の消失を監視できるWebプラットフォームである。マップタイル形式で作られているので、UrtheCastのデータはGFWのプラットフォーム上で使用可能であり、フィルター、被雲率、取得日時により整理できる。

GFWのプラットフォームはその購読サービスを通して変化（例えばインドネシアの火災や、ペルーにおける違法伐採の広がりなど）を通知してくれる。

まとめ　森林と人工衛星の良い関係

森林消失は言うまでもなく、世界的に重要な問題である。
しかし、面積が広大であり、特に発展途上国では実際の状況を把握できていない現状がある。

人工衛星のは地球を周回しているため、(1) 広い範囲を(2) 長い期間継続して撮影したいミッションに向いている。人工衛星の画像は、森林消失だけでなく様々な世界規模の問題の解決に貢献できる可能性を秘めている。

今週の英語フレーズ

As GFW writes: “…access to high-quality images continues to increase, as does our ability to monitor global forest change and put information into the hands of more stakeholders around the world.”
GFW曰く「高品質の画像にアクセスする機会が増えると、我々の森林を監視する能力は高まり、より多くの世界中のステークホルダーに渡すことができる」

用語解説

*1 被雲率：写真の中で雲のかかっている割合。人工衛星から地球の可視光の写真を撮る場合、雲がかかっているとその下のエリアの様子は分からない。

出典元

2016/11/16, Urthecast, Tracking Deforestation With UrtheCast Satellite Data,
https://blog.urthecast.com/company/taking-forestry-management-tech-higher-urthecast-monitors-topical-deforestation/
2017/6/4, WWF, THE GRAN CHACO
http://wwf.panda.org/what_we_do/footprint/agriculture/soy/soyreport/soy_and_deforestation/the_gran_chaco/

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