「サービスに自信があるのは、”これ”をやったから」あらゆる産業課題を空から解決するスカイマティクス社、社会実装までの道のり
あらゆる産業課題をリモートセンシングx自社の解析技術で解決するスカイマティクス社。「先端技術を社会実装する」という言葉にピンとくる方は必見のインタビューです。ポイントは「泥臭さ」「価格設定」「課題の目利き」。
本記事はあらゆる産業課題を空から解決する企業として画像解析技術とGIS技術を強みとする、フォーブスジャパン2021年1月号にて日本のスタートアップ大図鑑にも掲載されている株式会社スカイマティクスのインタビュー記事前編です。後編はこちら※1/22(金)公開
・サービスを立ち上げはするが、自信を持てず、うまくいかないまま終了してしまう
・最先端の技術をもっと多くの顧客に届けたいがうまく浸透しない
そのような悩みを持つビジネスマンの方は、ご自身の今の業務と照らし合わせながら本記事をご覧ください。きっと、ご自身のビジネスを成長させるきっかけを掴んでいただけると思います。
本インタビューは、株式会社スカイマティクスの代表取締役社長である渡邉 善太郎様、取締役CTOの倉本 泰隆様にお話をうかがいました。
今回、お話をうかがった方
学生時代は流体工学を専攻。2002年三菱商事入社後、宇宙事業領域にて衛星画像販売事業やGIS・位置情報サービス事業の新規事業立上げ、子会社のM&Aに従事。2016年10月に三菱商事と日立製作所の出資のもと、合弁会社として株式会社スカイマティクスを設立し代表取締役に就任。2019年10月に経営陣によるマネジメント・バイアウト(MBO)及び第三者割当増資増資を実施。
学生時代はリモートセンシングの研究に従事。2006年日立製作所入社後、人工衛星の地上局開発プロジェクトに参画して、衛星の挙動を解析するシミュレータの設計、製造に従事。2016年11月より株式会社スカイマティクスにCTOとして参画。
本記事は前編と後編に分かれており、前編ではビジネス実証から社会実装までの取り組みについて、後編ではリモートセンシング業界の今後の展望や期待をまとめています。
前編のポイントは最先端技術を民主化するための「泥臭さ」「価格設定」「課題の目利き」です。
リモートセンシングx画像解析で様々な産業課題を解決するスカイマティクス社とは
近年、ドローンの利活用が進められています。
経済産業省から「空の産業革命に向けたロードマップ2020」が公開されており、物流業・警備業・医療・災害対応・インフラ維持管理・測量・農林水産業など、利活用されている産業は多岐にわたります。
スカイマティクス社もドローンやその他リモートセンシング技術を用いて、様々な産業課題を解決するサービスを提供する企業です。
まずは渡邉様、倉本様のこれまでのキャリア、創業の経緯を聞いてみました。
宙畑:まずは、渡邉様、倉本様の簡単なご経歴を教えてください。
渡邉:私はもともと学生の頃から将来起業することを決めていましたが、大学では機械工学系、流体工学を専攻しており、エンジニアリングしか学んでいなかったため、ビジネスのことを学べる企業に行こうと思い、商社に就職しました。
そこでは宇宙分野に配属され、衛星画像領域や位置情報サービス領域などに関わり、宇宙業界ではGeoEye、WorldView、COSMO-SkyMed、SkySat衛星などの衛星データの販売及び関連サービスの提供などを行っていました。
倉本:私は、大学院で衛星画像の解析など、いわゆるリモートセンシングの研究をしていました。卒業後もリモートセンシングに関わりたいと思い、防衛や安全保障関連の案件を獲得している企業に行こうと思い電機メーカーに就職しました。その後十数年、安全保障の分野で衛星関連の業務に従事しました。2012年位に、とあるプロジェクトで三菱商事と日立製作所が組むことがあり、私が日立製作所のプロマネ、渡邉さんが三菱商事のプロマネとして携わったのが、渡邉さんとの出会いです。
創業期からスカイマティクス社に根付くビジョン「空から無限の情報を届け、あらゆる産業の課題をリモートセンシングで解決する」
宙畑:お二人ともリモートセンシングの中でも衛星データを扱う業務の中で取引関係者として出会い、スカイマティクス社を創業されたということですね。スカイマティクスの創業はいつ、どのように思い立たれたのでしょうか?
渡邉:思い立ったのは2014年ですね。私は衛星画像販売事業に携わるなかで、宇宙業界ってデータを売るビジネスが中心で、本当に情報を届けることに対する関心度合いが低いこと、また、解析をした情報が真に価値ある情報だと認識されていないことに課題を感じていました。
もっと言えば、私は、解析・鮮度・操作性の3要素が満たされて初めて、価値ある情報と言えると考えています。いくら精度の高い解析情報であっても、その情報がユーザーが欲しいタイミングの1週間後に届いたら意味がない。その情報にアクセスしようと思っても非常に取得すること、解析することや操作することに時間がかかっていたら、これもまた意味がないんです。
そのため、リモートセンシング技術を社会に実装させるときに、IT技術やGIS技術が不足しているのではないかと感じ、そこにフォーカスする企業を創業しようと企画を始めました。
また、同時期にDJI社のドローン、Phantom 2に触ったことも大きなきっかけでした。こんな簡単にデータが取得できるのかと感動し、世の中を変える技術だと感じました。
倉本:現状、衛星データで今渡邉が話した3要素を満たしている事例は、おそらく天気予報くらいですよね。鮮度良く画像が使われていて、かつアクセスが容易というのは。
渡邉:誰もが容易にアクセスできるからね。そして、その仕組みが成立しているのは、気象衛星ひまわりの画像を、気象庁が天気情報に変換しているからですよね。結局、衛星だけあっても意味がなく、衛星の情報を誰もがアクセスできる情報に変換し、それを鮮度良く届ける仕組みまで構築する必要がある。
そのような経験を経て生まれたビジョンが「空から無限の情報を届け、あらゆる産業の課題をリモートセンシングで解決する」です。2014年にこのビジョンを作ってから6年、一切ぶれていません。
このビジョンを作った後、どういう技術を使ったらこの自分のビジョンを実現できるだろうかと世界中を探しました。探し回った結果、誰と組んでも出来ないと感じて、自分で立ち上げようと決意しました。決意して真っ先に声を書けたのが倉本です。倉本は技術者でありながらマーケット側の視点を持って技術を語ることができ、一緒に組んだら本当にマーケットに対して価値のあるプロダクトを社会実装できると思ったので。
宙畑:マーケット側の視点を持って技術を語れる技術者、とても重要ですね。
創業時に生まれた「いろは」は10年後の農家のためのサービス、どのようにできた?
10年後の農家さんの困ったを解決する「いろは」とは
宙畑:これまでうかがった創業の経緯を経て最初に生まれたサービスが葉色解析サービス「いろは」ですね。「いろは」についてサービスの概要を教えてください。
渡邉:「いろは」は、「手のひらに、いつでも葉の色を」をビジョンに掲げる農家さん向けのリモートセンシングサービスで、10年後の農家さんが困ることを解決することを目指しています。
まず、農家さんは、葉っぱの色や農地の状態から様々な情報を判断しており、それらを把握するためには、農地を頻繁に見回る必要があります。
しかし、今後は農家の減少に伴い、一つの農家さんが保有している農地は北に20km、東に20kmなどと大規模・広域化することが想像されます。そうすると、農作業の中で移動の時間が現在よりも確実に増えるでしょう。
現在でも農地を丁寧に見回れている農家さんは少ないのに、今後は更に困難になるわけです。そうするとドローンや衛星データといったリモートセンシングを利用することが予想されるわけですが、ドローンを飛ばす時間帯や気象条件によっては葉色は異なります。それを農家さんがご自分ですぐに解析して判断するというのはとても難しいでしょう。
そこで、「いろは」では、ドローンで撮影した画像を私たちのwebサイトにアップロードして解析を実行してもらえれば、解析内容によっては最短10秒で解析結果を提供します。
宙畑:10秒というのは凄まじいですね。今まで農地を歩き回ってひとつひとつ確認していたのがドローンを飛ばしてデータを「いろは」に渡すだけで返ってくるわけですから農家さんの驚く顔が目に浮かびます。
渡邉:生データでなく、農家さんにとって有益な解析結果が最短10秒で分かるということがポイントです。
また、農業とは、製品を作って売るという行為においては製造業と言うこともできますが、既存の製造業と決定的に違う点が一つあります。農業には図面がないのです。製造業には図面が必ずあり、図面があるから情報が統合され、図面があるから新しいアイデアが生まれたり業務改善が実現できたりします。
そういう意味で、私たちの「いろは」というサービスは、農家さんに図面を提供しているサービスと言えます。今後農家が大規模化した時に、今日どこを見回るべきか・どこで何が起こっているかを図面に可視化させるというコンセプトで開発したのが「いろは」なのです。
「いろは」の着想は、出張先のホテルで見た北海道の森林
宙畑:「いろは」のアイデアは、いつ、どのように思いついたのでしょうか?
渡邉:2015年ですね。私が北海道に出張していた時、ホテルの部屋から見える景色が一面森林だったのですが、その森林の緑の色が毎日、どんな時間でも違って見えたんです。当時はドローンで農業業界の課題を解決できるかもしれないと感じている時で、同じ緑色でも光の当たり方で異なるという当たり前の事実に気づくことができました。
これは、農家さんがドローンで自分の農地を撮影しても、日時・天候によって撮影した画像に移る緑の色が異なり判断ができないという課題に直面するのではないか?と思いました。
そのため、どんな状況下でどんなドローンで撮影しても農家さんの判断に役立つ正しい葉っぱの色の状態を案内できるサービスを提供できれば、農家さんが目視で農地を見回っているような作業をドローンで代替できると考えました。これが、「いろは」を着想した最初のきっかけです。
「いろは」の実証から社会実装するまで
★ポイント①泥臭さ
宙畑:「いろは」の初期はどのようにサービスの拡充を進められたのでしょうか?
渡邉:「いろは」については、プロダクトアウト型でサービス展開したので、私と倉本が仮説を立てて開発したものをまずは出してみました。そのあとは作物ごとに検証テーマを設定し適合させていく作業を行い、最初はやはり苦労しました。
私たちは、「いろは」の最初のプロダクトが完成した時、40~50台のドローンを無料で「農家さん、JAさん、自治体さん、どうぞ自由に飛ばしてください。」と日本全国に配布しました。同様の取組をしている企業が他にいないので、皆さん面白がって使ってくれます。解析した結果にフィードバックしてくださったり、皆さんとてもお世話になりました。
宙畑:その配布の際、実際に使ってくださった農家さんは、若い人が多かったのでしょうか?それとも高齢の方が多かったのでしょうか?
渡邉:30~40代の方から60代の方まで、満遍なく様々な年齢層の農家さんに配布して使って頂きました。それは現在まで続いており、現在「いろは」のユーザーの農家さんの最高年齢は67歳です。現在の日本の農家さんの平均年齢が67~68歳なので、農家さんの平均年齢の方でも私たちの「いろは」を使ってくださっています。
宙畑:解析は渡邉様や倉本様が実施されたのですか?
渡邉:その時には、それなりの数のエンジニアを採用していました。「この農家さんではこの解析を検証する」「この農家さんではこの種類の解析のこの精度を検証する」といったように、一人ひとりの農家さんごとにテーマを決めて、張り付いてフィードバックを頂きながらブラッシュアップしていきました。
「いろは」の各種サービスの開発にあたって、汗をかいてグランドトゥルースデータを集めまくりました。例えばキャベツ向けサービスでは、キャベツ2万個を実際に数えましたし、キャベツの重さを実際に計測しました。水稲向けサービスでは、農地のお米畑を回り、農家さんと一緒にお米の生育ムラを測定しました。
渡邉:僕たちが今の「いろは」のサービスに自信を持っているのは、この作業をしたからだと思っています。最先端のテクノロジーをリリースする時には、こういった泥臭いことをやるのが重要だと考えています。
宙畑:「いろは」は、農家さんごとにテーマを設定する際は、農家さんと密なコミュニケーションを取っていたということですね。具体的にどのような農家さんと優先的にお話をしたのか、どういった検証をされたのか教えていただけますか?
★ポイント②価格設定
渡邉:まさに、最初の農家さんの選定はとても重要です。ただし、どういう農家さんを選定するかということと、それからどういう聞き方をするかということが、ここはノウハウの結集なので、ここは企業秘密ですね。
ひとつ大事にしていたことをお伝えすると、価格を農家さんに聞くことです。「こういう技術が実装できた時には、どれくらいの金額だったら買いますか?」ときちんとヒアリングしていました。
宙畑:「価格」ですか。価格はスカイマティクス社としてどのようなことを意識してヒアリングされているのでしょうか。
渡邉:僕たちのサービスを見ていただくと価格が安いなというふうに感じていただけるんじゃないかなと思うんです。
例えば、「いろは」は1,000円から、「らいす」というお米の等級判定サービスは500円からリリースしています。これは理由があって、大規模な人だけ、例えば大規模農家さんとか、お金持ち農家さん、これを対象にするんだったら、なにも大企業を飛び出してまでやる必要はないんですよ。そういう大規模な人たちは大手の企業でもやるから。
大手の企業さんが絶対にやらないことって、ロングテールの小規模な弱小な方々なんですよね。こういう人たちに届けられるような価格帯の製品をリリースしてこそ、僕はスタートアップの使命だというふうに思っているし、これが大手さんとの差別化のポイントだと僕たちは思っているので。
なので常に僕たちがやることっていうのは、最後それは、業界の1番お金を持っていない人たちでも買えるような価格になっているかということを意識しています。
宙畑:社会実装をするということは、顧客から選ばれることを意味すると思うので、そういった観点で価格を初期フェーズから重要なポイントとして考えられているのはとても勉強になりました、ありがとうございます。
「いろは」のプロダクト開発で技術的に難しかったポイントは?
宙畑:「いろは」の開発で、ドローンの画像解析に取り組む際に難しかった点はありましたか?
倉本:環境光の違いを排除することはやはり難しかったですね。これについては、プロダクトを実際に作る際に考慮しました。
宙畑:渡邉様が「いろは」を着想することになった、時間やその他、環境による画像の違いですね。
倉本:そうですね。
宙畑:ドローンならではの特徴的なポイントはありますか?
倉本:衛星データと異なった点として挙げられるのは高度です。衛星の場合は、高度は一定で所定の軌道を周回しています。つまり、高度が一定なため特定の衛星が撮像する解像度は一定です。
しかしながら、ドローンの場合は操作する人によって自由に飛行させることができます。高度30mで撮影した画像と高度10mで撮影した画像の差異。つまり、飛行高度に対するロバスト性を高める工夫を実施しました。
上記の観点以外は、衛星データを用いたリモートセンシングとそこまで変わらないと考えています。
シニア向け携帯端末からスマホを買い替えたいと思うほどの課題解決アプリ「らいす」とは
宙畑:AI米粒等級判定解析「らいす」について、500円とかなり安い価格設定だと思いますがどのようなサービスなのでしょうか?
渡邉:「らいす」の機能はシンプルで、スマートフォンで米粒を撮影いただいたらお米の等級を判定する、たったこれだけです。農家さんが持っている端末で使用できて、撮影後10秒以内に等級結果が出て、精度もそこそこのものであるという3つの特徴から、2020年7月末にリリースしてから約5か月で数千の農家さんに使って頂いています。
おそらく、数千の農家さんが自分のお金を払って使用しているリモートセンシングサービスって一つも無いのではないかと思います。つまり、「らいす」は、初めてリモートセンシングを民主化したサービスだと私は考えています。
宙畑:まさにロングテールで小規模な農家様のためのサービスですね。
渡邉:農家さんの中には、70代や80代の方もおられます。そのような年齢の方は、シニア向け携帯端末を使用している方もおられます。私たちのアプリも、シニア向け携帯端末では動かなくて、iPhoneやAndroidのスマホ端末である必要があります。70代や80代の農家さんに「iPhoneやAndroidでないと動かないのです。」と伝えると、シニア向け携帯端末からスマホに乗り換えて頂けるのです。つまり、私たちのリモートセンシングサービスを使用するために端末を購入してくれている。人の行動を変えるアプリってなかなか世の中に出せなくて、私と倉本の認識では、少なくともリモートセンシング業界においては初めてじゃないかと思っています。
宙畑:そこまで強いニーズを農家さんから引き出せたのは、どのようなポイントが優れていたと考えられていますか?
渡邉:「いろは」をやっているからだと思います。私たちには「いろは」の顧客農家さんが全国にいるので、農家さんから色々な困りごとやアイデアを頂いています。「らいす」についてもある農家さんとの話の中から生まれました。
★ポイント③課題の目利き
宙畑:株式会社穂海の丸田社長が社員の方が「ドローンの画像でキャベツの結球が見えるのなら、スマホでお米って見えない?」と発案があったという動画を見ました!
丸田社長とは、どのような流れで「らいす」の発想に至ったのでしょうか?
渡邉:まさに。私たちが「いろは」の事例として、ドローンでキャベツを判別していることを世の中に公開していたからこそ、丸田社長と一緒に「スマホで米粒」という発想に至ったと考えています。
宙畑:「いろは」はプロダクトアウト型でまずはリリースをしてから農家さんの声を集め、プロダクトのアップデートを行ったのに対し、「いろは」で農家さんと泥臭くもコミュニケーションを取りながらサービスを展開したことで「らいす」のアイデアが農家さんから上がってきたという流れはとても興味深いです。
実際に今後もスカイマティクス社のサービスを利用する農家さんから「これ、サービスとして提供できないか?」という要望がどんどん増えてくると思うのですが、「これはいけそう」とか、そういう目利きをするときに大事にしている観点など、2つ3つキーワードがあれば、我々も今後衛星データでいろいろやるときに参考になるかなと思うのですが教えていただけそうでしょうか?
渡邉:集約した「サービスのタネ」の目利きの詳細は、どうしても企業秘密でお話できないところなのですが、大事にしている観点というのは明確にあります。それは、その農家さんからいただくニーズというのが、ある特定の農家さんのものなのか、その作物全体の共通する課題なのかということで、それは必ず見ています。
私たちは、ある特定の農家さんのためのカスタマイズの解析とか、カスタマイズの製品というのはやりません。業界を丸ごと変えられるインパクトのあるサービスだけ、「できる」と思ったときにやるということです。
「いろは」でのキャベツの収量予測もそうですし、「らいす」のお米の等級判定もその判断基準に当てはまります。それはキャベツの収量を予測するという行為はキャベツ農家さんにとって、誰もがやる行為。お米の等級判定をするという行為は、お米農家さんが販売をするときには誰もがやる行為。その誰もがやる行為のところにおいて共通的に通じる課題というもので、自分たちの技術で解決できるというふうに判断したときには突っ込む、この軸を大事にしています。
宙畑:ありがとうございます。
後編「リモートセンシングの今とこれから」編に向けて
スカイマティクス社に取材を打診した当初、宇宙業界のキャリアを歩まれた方がドローンの可能性に着目し、ドローンx画像解析でベンチャーを起業された、という想定をしていたのですが、「らいす」がスマートフォンの画像解析で農家の課題を解決し、すでに数千人の方が利用しているように、その実態は全く違うことが分かりました。
渡邉さんのお言葉を借りれば「ユーザーが欲しいものは衛星データでも、ドローンの画像でもなくて、あくまでも欲しいものというのは業務効率の改善だったり、それからコスト削減だったり、売上の向上に寄与するような価値ある情報」であり、それに沿う解析サービスをスカイマティクス社は提供しています。
また、取材中には衛星データとドローンの違いやその組み合わせによる価値向上の可能性についても言及していただきました。後編では、リモートセンシングの今、これからのリモートセンシングへの期待について、宇宙産業出身でリモートセンシング技術を用いたビジネスの現場に踏み込んでいるお二人の視点からお話していただいた内容を紹介します。