星出彰彦宇宙飛行士らが帰還。危うくISSはNASAの宇宙飛行士が不在に【宇宙ビジネスニュース】
【2021年11月7日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
11月9日(月)12時33分頃(日本時間)、約半年間ISSに滞在していた星出彰彦宇宙飛行士が搭乗するSpaceXのクルードラゴン宇宙船運用2号機(Crew-2)がフロリダ沖に着水する予定です。
同乗するのは、NASAのシェーン・キンブロー宇宙飛行士とミーガン・マッカーサー宇宙飛行士、ESAのトーマス・ペスケ宇宙飛行士です。
これまでISSには、途切れることなくNASAの宇宙飛行士が滞在していました。これは、宇宙飛行士が帰還する前に、新たに到着した宇宙飛行士にスムーズに業務を引き継ぐのと、宇宙開発の場におけるアメリカの存在感を示す狙いがあったのではないかと考えられます。
ところが、Crew-2の宇宙飛行士が帰還することにより、クルードラゴン宇宙船運用3号機(Crew-3)の打ち上げまでの間、ISSに滞在するNASAの宇宙飛行士は、ソユーズに搭乗して来たマーク・ヴァンデ・ヘイ宇宙飛行士だけになります。
Crew-3の打ち上げは当初10月31日に予定されていましたが、悪天候のため延期されました。11月3日は、搭乗する宇宙飛行士のひとりに軽度の医学的問題が見つかり、11月10日(現地時間)に再延期されている状況です。
ロシアのソユーズを契約していなければNASAの宇宙飛行士がISSにいなくなっていた可能性があるのです。今回のケースは偶然が重なったことにより発生したものですが、これをNASAがどのように受け止めているのか、対応策は検討されているのかが気になるところです。
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参考
国際宇宙ステーション長期滞在クルー星出彰彦宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-2)のISS離脱及び帰還日時の決定について