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ANAホールディングスがVirgin Orbitと基本合意書を締結。大分空港からの人工衛星打ち上げへ一歩前進【宇宙ビジネスニュース】

【2021年11月8日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

ANAホールディングスがVirgin Orbitと基本合意書を締結。大分空港からの人工衛星打ち上げへ一歩前進

ANAホールディングス株式会社(以下、ANAホールディングス)が、空中発射小型ロケット開発に取り組んでいるVirgin Orbitと人工衛星打ち上げ事業の展開に向けた基本合意書を締結したと発表しました。

Virgin Orbitは一般的な小型ロケットの打ち上げと異なり、自社保有するボーイング747を改良した小型ロケット運搬機(Cosmic Girl)の翼から小型ロケット(LauncherOne)を発射する「エア・ローンチ」と呼ばれるシステムを採用しています。

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https://sorabatake.jp/tag/virginorbit/

ANAホールディングスとVirgin Orbitは2019年にパートナーシップ契約を締結しています。今回の合意書によりANAホールディングスはVirgin Orbitの機体であるLauncherOneの衛星搭載スペースの国内独占販売権を取得し、Virgin Orbitによる日本国内での人工衛星打ち上げ事業の実現に向けた具体的な協議を行う予定です。Virgin Orbitによる打ち上げには大分空港の活用が検討されており、2022年以降の10年間で20回の打ち上げを目指すとのことです。

モハべ宇宙港で実施した試験飛行直後のCosmic Girlの様子。 Credit : Virgin Orbit/Greg Robinson. Source : https://virginorbit.com/media-center/

今回の合意書に関して、Virgin OrbitのCEOのDan Hart氏は以下のコメントを出しています。

We are elated to be partnering with such a talented and honored firm to move space launch forward and serve the rapidly growing need for launch. We look forward to collaborating with ANA to foster the ongoing transformation of the space economy.
(訳:ANAのような優秀で名誉ある企業とパートナーシップを組むことで、急速に高まる衛星の打上げニーズに応えることができ、大変うれしく思っています。ANAと協力して、宇宙ビジネスを更に促進していくことを楽しみにしています。)

Virgin Orbitの打ち上げ手法では一般的なロケットの射場は必要なく、小型ロケット運搬機が飛び立つことができる滑走路と専用の燃料補給設備を備えた空港であれば打ち上げが可能であり、様々な国に打ち上げ能力をもたらすと期待されています。

大分空港からVirgin Orbitの機体が人工衛星を打ち上げる日も、すぐそこまで来ています。

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