宙畑 Sorabatake

衛星データ

流れ星が見える場所はどこ? 衛星データで近場の星空観光スポットを探せ!

流れ星を観たことがありますか? 宙畑アンケートによれば20%の方が観たいけれど観たことがないとのこと。それならばと衛星データを利用した星空観光スポットの探し方をご紹介します。

筆者が初めて流れ星を見た長野県野辺山観測所横で撮影された流れ星 Credit : sorabatake

宙畑がTwitterで行ったアンケートによると、アンケートに回答いただいたフォロワーの18%(N=34)の方が流れ星を「見たいけれど見たことがない」と回答をされました。

それはぜひ流れ星を見ていただきたい!

ということで、読者の方の近所で、流れ星が見える場所探しに衛星データを使えないものか、宙畑で考えてみました。

その結果を本記事では紹介します。

※本記事は宙畑メンバーが気になったヒト・モノ・コトを衛星画像から探す不定期連載「宇宙データ使ってみた-Space Data Utilization-」の第9弾です。まだまだ修行中の身のため至らない点があるかと思いますがご容赦・アドバイスいただけますと幸いです!

(1)夜間光データを利用して星空観光スポットをチェックした結果

今回の企画にあたって、衛星データを使えばある程度流れ星が見えるスポット(暗いスポット)を探せるということが分かりました。流れ星が見えるスポットを探すために、衛星データで注目するのは「夜間光」です。

2013年の夜間光データ。都心部が赤くなっていることが一目瞭然。1992年のデータを見ると中国の赤い部分が少なく、いかに中国がこの20年間で発展したかわかります。 Credit : google earth

夜間光とは、その言葉通り、衛星が夜間に地球を撮影したときに映る光のこと。それは家の光であったり、街灯の光であったりと、様々な光が映ったものです。写真を見ていただくと分かる通り、都心部は「真っ赤に染まっている=明るい」ということが分かります。

夜間光を見ればその場所が明るいのか、暗いのかを識別でき、星が見えるか見えないかの参考になるということは想像に難くないでしょう。

余談ですが、各国の発展を時系列でみること、その年のGDP予測にも夜間光が使われるケースもあるようです。

(2)「Google Earth Engine」を使った流れ星が見える星空観光スポットの探し方

では、実際にどうやって流れ星が見える星空観光スポットを探すのか。

今回流れ星が見える星空観光スポット探しに使うのは「衛星画像解析が変わる!? 「Google Earth Engine」の何がすごいのか」でも紹介した「Google Earth Engine」です。

以下、探し方の手順をお伝えします。ぜひみなさんもチャレンジしてみてください。

今回使用したのはこちらのスクリプト。

https://code.earthengine.google.com/110b7f8e2650740b71b8068a0de99887

皆さんもGoogleのアカウントがあれば無料で使用できるのでぜひ触りながら記事をご覧ください。
※スマートフォンでご覧いただいている方はぜひPCがあるときにお試しください

STEP1:流れ星が見えた場所を検索

検索窓は「野辺山」まで入れるとサジェストしてくれるので便利 Credit : Google Earth Engine

まずは流れ星を筆者が最初に見たスポット、長野県にある野辺山宇宙電波観測所横の広場を「Google Earth Engine」ロゴ横の検索窓で検索してみます。

読者の皆さんも過去の思い出から星空が綺麗だったなと思う場所をぜひ検索してみてください。

検索した後、画面右上のLayerを押して、スライドのバーを左にスライドすると夜間光データの下に地図が現れるので、その検索結果が正しそうか確かめましょう。

STEP2:流れ星が見えた場所を囲む

カーソルを合わせてポチポチするだけ。感覚的に囲むことができます Credit : Google Earth Engine

次に、画面右上の地図・航空写真のタブで航空写真を選びましょう。

その後、画面左上にある赤枠で囲んだ部分を押して、星空を観測した場所を囲んでみてください。

STEP3:流れ星が見えた場所の明るさレベルをチェック

明るさレベルが分かるまで少しどきどきするのもまた一興です Credit : Google Earth Engine

「Google Earth Engine」では指定したスポットの夜間光の明るさレベルを数値化して教えてくれます。

囲んだ場所をダブルクリックしてみましょう。すると、右上に「stable_lights」という項目が更新されます。その横には14という数字が表示されています。これが明るさのレベルです。

今回の調査方法では0から63まで明るさのレベルがあり、0に近いほど暗い数字。明るさのレベルが14以下の場所は、筆者が流れ星を見た場所よりも暗い場所と推測できます。

それはつまり、明るさのレベルが14以下であれば流れ星が見える可能性が高い推測できます。

STEP4:見てみたい星空観光スポットのレベルをチェック

では、今回野辺山の事例で流れ星が見えるレベルは14でしたが、他のスポットのレベルもチェックしてみましょう。14以下なら流れ星が見えそうという値の信憑性について検証してみたいと思います。

今回は「カメラと星景写真の日々」を運営する@Starryheavens_pさんに、流れ星を撮影できた写真をいただき、撮影場所を教えてもらいました。素敵な流れ星写真とともにレベルチェック!

■西湖、根場浜

西湖、根場浜の星景写真です。オリオン座がとても綺麗に見えていますね。では、明るさのレベルを調べてみましょう。

Credit : Google Earth Engine

調査したところ、10でした。14より4低いため、野辺山よりも暗い場所であることがわかります。

■朝霧高原

続いて先程の西湖の南西にある朝霧高原で撮影された1枚。こちらも綺麗に流れ星が撮影されていますね。

では、さっそくレベルを調べてみましょう。

Credit : Google Earth Engine

こちらも明るさのレベルは10を記録。10以下というのはひとつ指標になりそうですね。

■福島県、裏磐梯

最後に福島県裏磐梯から撮影された天の川。とても美しい写真をいただきました。この撮影スポットの明るさレベルを調べてみると……。

Credit : Google Earth Engine

なんと、0でした。山道の途中に撮影できるスポットがあるようです。一度訪れて空を自分の目で見てみたいものです。

といことで、どうやら10以下の数字の場所であれば、流れ星も見れて、星景写真家も訪れる星空スポットのようです。

探してみて、近所に10以下のスポットがありましたら、ぜひ足を運んで星空を眺めてみてください。

(3)調査の課題

さて、これまで流れ星を観測できる可能性が高いスポットを簡単に調査できるように説明してきましたが、課題がいくつか残っています。

■夜間光データの解像度が粗いこと

実際に「Google Earth Engine」を触っていただいた方は分かるかもしれませんが、東京や大阪といった都心部は真っ赤でどこを囲んでも明るさが最大の63となってしまいます……しかし、実際は違います。

筆者自身、東京でふたご座流星群を観測したことがあります。そのため、今回15以上の場所で流れ星が観測できないというわけではないのです。

なぜこのような結果になっているのかと言うと、衛星データの解像度が粗いことが理由にあります。今後さらに解像度が上がれば、東京の中でもグラデーションができ、東京で星を見るおすすめのスポットも探せるようになるかもしれませんね。

■人が行ける場所なのかをひと目で判断できない

こちらも実際にデータを見ると分かるのですが、真っ暗な場所はもちろん明るさのレベルは0です。

ただし、実際に人が行ける場所なのかどうか、車を停めていい場所があるか否かなどは、Google Earth Engineを見ただけではわかりません。

地上のデータとも掛け合わせることで、人が行けて安全な場所で星空も綺麗に見えるおすすめスポット探しを簡単にできるようになりそうです。

(4)今後の展望

さて、今回は流れ星が見えるだろうスポットに焦点を当てて夜間光データを用いました。

今後、夜間光データの解像度がもっと上がれば、そのスポットで見える星の等級と夜間光データの明るさのレベルの相関性を見つけ、その場所で綺麗に見える星座の数まで分かるようになるかもしれません。

また、課題の部分でも触れましたが、地上のデータと組み合わせれば、実際に安全に行ける場所なのか、また、周りに高い木や建物、山があって見えない星があるかないかなども分かるようになるでしょう。

星空観測スポット探しに夜間光データ、ぜひお試しあれ。

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