宙畑 Sorabatake

ニュース

日米豪印首脳会合(QUAD)、各国の衛星データをまとめたサイトを開設。災害や気候変動対策に活用【宇宙ビジネスニュース】

【2022年5月31日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

5月23日、24日は諸外国の大統領らが訪日し、日米首脳会談や日米豪印首脳会合が開催されました。宇宙開発や宇宙ビジネスに関連するトピックをまとめます。

日米首脳会談

5月23日には、岸田首相とバイデン米大統領による日米首脳会談が開催されました。

翌日24日に発表された日米首脳共同声明によると、アメリカが主導するアルテミス計画の一環で構築が進められている月軌道ゲートウェイや有人月面探査、ロボットによる月面探査に日本人宇宙飛行士を含めるという共通の意思を改めて確認することを含め、アルテミス計画における協力の進展を表明されました。

さらに、両首脳は枠組協定とゲートウェイに関する協力のための実施取決めの交渉を 2022 年に完了させることを約束しました。

Credit : NASA

岸田首相は2021年12月に開催された宇宙開発戦略本部で、宇宙基本計画工程表の改定に向けて重点事項を議論した際に「アルテミス計画を推進し、2020年代後半には、日本人宇宙飛行士の月面着陸の実現を図ってまいります」と、日本人宇宙飛行士の月面着陸の時期について言及していました。

日本人宇宙飛行士の活躍機会創出のためにも、実施取決めの交渉は重要なマイルストーンだと言えるでしょう。

日米豪印首脳会合(QUAD)

5月24日には、日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4カ国間で、安全保障や経済について協議する日米豪印首脳会合(通称QUAD)が開催されました。

Credit : 首相官邸

QUADは2019年以来、毎年開催されています。前回は2021年9月に開催され、宇宙分野においても、アメリカとオーストラリア、インドと協力していくことが表明されました。

ホワイトハウスが発表した共同声明やファクトシートによると、災害対応や気候変動のリスク分析、海洋資源の持続的な利用といった平和的な目的での地球観測衛星データの共有、インド太平洋諸国における共通課題の解決に向けた宇宙関連分野の技術強化、宇宙環境保護のためのガイドライン策定などについて、協議を進めていくことが決まっていました。

24日に発表された日米豪印首脳共同声明によると、各国の衛星データ資源へのリンクを集めた「日米豪印衛星データポータル」を提供することで一致し、民間の地球観測データの共有に努めるということです。会合後の議長国記者会見で岸田首相は、このように話しました。

「インド太平洋地域は自然災害が多く、気候変動等に脆弱な国が多い地域です。今回、宇宙分野で4か国が保有する衛星情報を地域諸国に提供する取組を立ち上げました。これは、防災、気候変動対策、海洋資源の持続可能な活用等を含め、様々な目的に活用できるものです」

現在日米豪印衛星データポータルに掲載されている衛星データは、政府の衛星が取得したものが中心です。

アジア太平洋地域では、自然災害の監視を目的とした「センチネル・アジア」という国際協力プロジェクトがあります。QUADでは、気候変動対策や海洋資源の持続可能な活用などを含む、より幅広い用途での利用が検討されているのがセンチネル・アジアとの大きな違いです。

今後は日米豪印衛星データポータル上で紹介された各国の衛星データがそれぞれのサイトから利用できる形で共有されたり、各国の民間企業が運用する衛星のデータも共有されたりすることを期待したいです。

宙畑編集部のおすすめ関連記事

今週の宇宙ニュース

参考

Japan-U.S. Joint Leaders’ Statement: Strengthening the Free and Open International Order

President Biden: NASA to Welcome Japanese Astronaut Aboard Gateway

日米豪印首脳会合 議長国記者会見

日米豪印首脳会合共同声明

Quad Joint Leaders’ Statement