スペースデータが14.2億円を調達。急拡大するメタバース需要に対応したソリューションの提供へ【宇宙ビジネスニュース】
【2022年8月8日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
スペースデータが14.2億円を調達。急拡大するメタバース需要に対応したソリューションの提供へ
衛星データと3DCG技術を活用し、バーチャル空間に仮想世界を自動生成するアルゴリズム開発を進めているスペースデータが14.2億円の資金調達を発表しました。本ラウンドには、Spiral Capital・スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー・KDDI Open Innovation Fund・GREE Ventures・THE CREATIVE FUND・Headline Asia・MZ Web3ファンド、個人投資家として前澤友作氏・平尾丈氏・富島寛氏が参画しています。
スペースデータは、衛星データと標高データから機械学習を行い地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上でAIに地上の3Dモデルを自動生成させます。3DCG技術を活用することで、石・鉄・植物・ガラスなどの細かな材質も自動的に再現させることを実現しています。
こちらの動画が、AIが自動生成したバーチャルニューヨークの様子です。
こちらの動画が、AIが自動生成したバーチャル新宿の様子です。
スペースデータが開発したアルゴリズムは、一人称視点での3Dモデルの自動生成を得意とし、VRやゲーム、映像制作といった三次元空間を人間の視点で動き回る用途への活用が容易という利点があります。地上の構造物の種類・形状・材質・役割などをシステムに理解させた上で、3Dモデルとして再変換することで、三次元空間において特定の物体に近づいても、景観を劣化させずに表現することが可能です。
スペースデータは今回調達した資金を活用し、世界中で急拡大するメタバースやデジタルツインの需要に対応して、様々なソリューションを企業や行政向けに提供していくとのことです。最終的に現実世界のあらゆるデータを取り込み、デジタル空間に限りなく現実に近い「並行世界」の再現に挑戦するスペースデータの取り組みから目が離せません。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
衛星データには唯一無二の価値がある。メタバース空間のゼロ地点を作るスペースデータ佐藤さんを突き動かす衝動とは
市場規模は6兆円超え! 広告産業における現在・未来の衛星データ活用事例
今週の宇宙ビジネスニュース
軌道上製造プラットフォームの実現を目指すVarda Space IndustriesがNASAの研究所と協定を締結【宇宙ビジネスニュース】
欧州のSAR衛星「Sentinel-1B」、復旧困難で観測終了。ESAは後継機の打ち上げを前倒す予定【宇宙ビジネスニュース】
JAXAと日立造船がISSで「全固体リチウムイオン電池」の充放電に成功!小型ローバーなどへの搭載が期待【宇宙ビジネスニュース】
JAXAが事務局となり「衛星地球観測コンソーシアム(CONSEO)」設立へ。全体戦略や政策提言を目指す【宇宙ビジネスニュース】
参考記事
衛星データから地球のデジタルツインを自動生成するAI開発のスペースデータ社、シードラウンドで総額14.2億円の資金調達を実施