ワープスペースとSynspectiveが光通信網の利用を想定したデータ取得頻度などの検証へ【宇宙ビジネスニュース】
【2022年9月19日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
ワープスペースとSynspectiveが光通信網の利用を想定したデータ取得頻度などの検証へ
小型衛星を活用した宇宙空間での光通信サービスの実現を目指すワープスペースと、衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR衛星の開発・運用を行うSynspectiveが、光通信網を利用した際を想定した技術検証を進めることに合意したことを発表しました。
Synspectiveは、小型SAR衛星によるデータを活用し地盤変動の可視化や浸水被害の評価を行うソリューションを提供しています。ワープスペースは、ユーザーが30分以内に衛星データを取得することができる高速光通信網を2024年から2025年にかけて構築する予定です。
光通信網を活用することで、大容量のデータを迅速に地上に提供することが可能になります。これにより迅速なデータ取得が求められる災害救助活動などへの衛星データの活用促進が期待されます。今回の技術検証では、高速光通信網を活用した際のデータ取得頻度や速度をソフトウェア上で解析します。検証期間は2023年3月末までを想定しています。続いて、軌道間での衛星間光通信について検証し、軌道上の衛星から地上との光通信について検証していく予定です。
本記事では、ワープスペースの担当者様に、以下の質問にご解答を頂きました。
①「光通信網を利用した際のデータ取得頻度や速度をソフトウェア上で解析を行う技術検証」とありますが、具体的な検証手法はどのようなものになるのでしょうか。
光通信端末をSynspectiveの衛星に搭載頂き、私たちの中継衛星と通信をして頂くことを念頭におき、機械的・ソフトウェア的な観点からの技術要件の確認と調整や、それぞれの衛星軌道を踏まえたときにどれくらいの時間帯で双方の通信が成立するか、そして私たちの衛星がどれくらいの頻度でどの程度のデータ量を地上におろせるかを検証します。これらを総じてソフトウェア上でシミュレーションし、次の技術的目標である実際の軌道上での実証について検討を行う予定です。
➁ともに検証を進める企業としてSynspectiveを選ばれた理由は何でしょうか。
両社とも日本のスタートアップであることから、海外企業に先駆けて早い段階からお話をさせていただいていました。また、同様に宇宙のネットワークを強化するというビジョンをもっている点から、両社の意思決定のスピードが非常に速く、今回の技術検証にいたりました。
③今回の技術検証で満足する結果が得られた場合、次はどのような技術検証に挑戦する予定でしょうか。
次はSynspectiveの衛星に光通信端末を搭載し、軌道上で検証を行っていくための技術検証を行っていく予定です。
日本のスタートアップ同士である2社が行う技術検証で良い結果が得られ、2社の事業開発が更に進むことに期待です。