ispaceが東京証券取引所グロース市場に上場へ。2024年以降に打ち上げ予定の月着陸船の顧客獲得も【宇宙ビジネスニュース】
【2023年3月13日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
ispace、東京証券取引所グロース市場に上場へ
3月8日、月面探査を計画するスタートアップispaceが東京証券取引所グロース市場への新規上場を承認されたことを発表しました。東京証券取引所グロース市場への上場日は2023年4月12日(水)となる予定です。4月12日以降は同取引所において、ispaceの株式の売買が可能となります。
ispaceは2022年12月11日に月面ランダー(月面着陸船)を打ち上げました。
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ランダーは2023年4月末頃に月面に着陸する予定で、現在も運用が続けられています。1月20日には地球から最も離れた地点となる約137.6万km地点まで到達。ispaceによると、民間資本により開発された、商業的に運用中の宇宙機としては地球から最も遠い地点まで移動した宇宙機になったということです。
すでに2024年以降に打ち上げ予定のランダーの顧客も決定
ispaceは月面ランダーで顧客のペイロードを月面に輸送することで、売上を立てます。
2月28日にはミッション1の中間成果報告およびミッション2・ミッション3の進捗報告会が開催されました。その際に、2024年に打ち上げ予定のミッション2のランダーには、高砂熱学工業、ユーグレナ、台湾の国立中央大学宇宙科学工学科のペイロードを輸送することが発表されました。
2025年に打ち上げ予定のミッション3のランダーは、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)のペイロードを輸送することが決まっています。
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進捗報告会ではミッション3のランダーにさらに、超小型人工衛星を開発する日本のスタートアップ、アークエッジ・スペース、イスラエル系アメリカの組織Aviv Labs, LLC、宇宙・航空機用アクティブフェーズドアレイ通信技術を持つアメリカ企業CesiumAstroのペイロードを輸送することが発表されました。
現在航行中のミッション1、続くミッション2、3を通じて、月輸送技術の確立が期待されます。