宙畑 Sorabatake

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宇宙産業活性化を促進させる一般社団法人クロスユーとは?特別会員のメリットも紹介

三井不動産株式会社と宇宙関連の有志が中心となり、一般社団法人クロスユーを昨年9月に設立、本年4月1日より活動開始することを発表。設立の背景や特別会員になるメリットを紹介します。

2023年2月13日、都内にて記者会見が開かれ、三井不動産株式会社と宇宙関連の有志が中心となり、一般社団法人クロスユーを昨年9月に設立、本年4月1日より活動開始することを発表しました。

三井不動産は、1990年代後半より「日本橋再生計画」に着手し、街作りを通して産業創造を目指しています。そして、2019年から宇宙分野を戦略カテゴリとして定め、宇宙関連領域のビジネス拡大に貢献しており、この度のクロスユー設立によってさらに宇宙関連産業の活性化が加速することが期待されます。

クロスユーが構築する宇宙ビジネスのエコシステム

クロスユーは、国内外の・産官学の宇宙関連プレイヤーと最新の知・情報が集まる宇宙ビジネスのエコシステムを構築し、ビジネスの拡大をサポートする母体となることを目指して設立されました。
クロスユーが考える宇宙ビジネスのエコシステムは大きく以下4つの要素で説明されています。

1.集まる
国内外から、宇宙ビジネスに携わる企業、スタートアップ、アカデミアなど広範なビジネスプレイヤーが集まる。

2.交わる
宇宙ビジネスの周辺領域プレイヤーや非宇宙産業を呼び込み、幅広い交流や情報発信が促進される。

3.共創する
アクセラレーター、VCなども集結、最先端の技術と融合し、様々なビジネスが生まれる。

4.拡大する
イノベーションが加速し、宇宙関連領域のビジネスフィールドが様々な分野に拡大していく。
これらの4つの要素がうまく循環することで、宇宙ビジネスのエコシステムが構築されるとイメージされています。

クロスユーが宇宙産業・非宇宙産業・個人に提供する価値

では、実際にどのようにしてクロスユーは宇宙ビジネスのエコシステムを構築するのか。クロスユーは会員となった法人・個人に向けて、「場の提供」と「機会の創出」を行うことを発表しました。

■場の提供
クロスユーの特別会員になると、コワーキングスペース、会議室、大規模イベントができるコンベンション施設等を使用することができます。オンライン配信室なども完備しており、このご時世に沿っていて非常に有用でしょう。

新しくできたスペースの間取り。コワーキングスペースのほか、会議室やバーラウンジもある。

■機会の創出
クロスユーでは、イベントなどの開催を通して、自社の商品や研究内容のアピールの機会、宇宙産業の動向をキャッチアップできる機会、人脈形成できるネットワーキングの機会の創出を提供するとしています。

イベントは、世界中の人が集まるようなものも想定しており、非宇宙企業や海外も視野にいれた広いプラットフォームがより手に入れやすくなることでしょう。

会員制度の費用については以下の通りです。
会員種別
会員の種別は3種類に分かれており、以下の表1のようになっています。

表1 会員種別
会員
対象
入会金
年会費
特別会員A 従業員301名以上の企業 5万円 25万円
特別会員B ・従業員300名以下の企業
・非営利団体
2万円 6万円
特別会員C 個人 2万円 5千円

※特別会員Cはイベントスペースの占有やスタジオの利用などはできません。
※各会員種別ごとの利用できる施設について詳細はこちら

クロスユーは個人や非営利団体にも門戸が開かれていることも特徴でしょう。会員費含め多様なプレイヤーが参入し、共創を目指すための設計がなされていると分かります。3月までに申し込みがあった法人・個人は入会費と年会費が無料になるとのこと。宇宙ビジネスに少しでも興味があるという方は、ぜひこの機会に入会を検討してみてください。

・会員のお申込みについてはこちら

クロスユーに設立にあたっての関係者の思い

クロスユーの今後の姿について、三井不動産株式会社代表取締役社長の菰田正信氏は、街作りを通しての産業創造により、宇宙産業の発展はもちろん地球の社会課題の解決を目指すことを語りました。

また、同社専務理事の植田俊氏は、長期的な方針として、街作りを通しての持続可能な社会構築、テクノロジー活用による不動産業のイノベーション、グローバルカンパニーへの進化の3つを挙げ、宇宙産業エコシステムの活性化が「持続可能な社会の構築」に繋がると話しました。

そして、クロスユーの理事長として就任した中須賀真一氏は、官民含む多様なプレイヤーによる「共創」を目指し、そのために重要となる非宇宙企業との接点を創出する場を提供することを語りました。

宇宙産業を日本橋の6本目の街道に

三井不動産はライフサイエンス領域で日本橋の地歴と特性を生かした街作りから産業の基盤を作っている実績(日本橋を中心に167社を誘致、イベント動員数は2022年に推定20万人など)があり、宇宙領域においても同じように発展することを期待して取り組むなかで今回満を持して生まれたのがクロスユーです。

記者会見では、江戸時代の五街道になぞらえた6本目の街道という言葉を使い、日本橋を世界に誇る宇宙拠点にし、宇宙に繋がる6本目の街道を創造していきたいと、今回の設立にかける強い思いもクロスユーの専務理事を務める植田氏から語られました。