ワープスペースと炭素排出量を衛星で監視する豪スタートアップが提携。データの収集頻度向上を図る【宇宙ビジネスニュース】
【2023年5月16日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
5月8日、小型衛星を活用した宇宙空間での光通信サービスの実現を目指すワープスペースが、炭素排出濃度を測定する独自の衛星コンステレーションを開発するLatConnect 60 (ラット・コネクト・シクスティ)と、炭素排出量を効率的かつ高い解像度で宇宙から監視していくための仕組み作りに向けて、戦略的パートナーシップ契約を締結したことを発表しました。
LatConnect 60は2019年に設立されたスタートアップ企業で、西オーストラリアのパースに本社を構えています。同社の衛星は50kg/時以上の低排出流量を検知する感度を有しています。最初の衛星は2025年後半に打ち上げられ、第3四半期以降に運用が開始される予定です。
LatConnect 60の代表であるヴェンカテシュワラ・ピレイさんによると、LatConnect 60の衛星コンステレーション「HyperSight 60」は、グローバルにモニタリングを行う予定です。特にオーストラリア、アジア太平洋、中東、アフリカではより高いデータの再訪問率・収集頻度をもちます。
そこで活用されるのが、ワープスペースの光通信ネットワークです。地上と通信のしやすい中軌道に配置されたデータ中継衛星が「ハブ」となり、レーザー光で顧客の衛星からデータを受信した中継衛星が、次々と地上へとデータを伝送していきます。顧客は従来の通信方式よりも大容量のデータを、即応的に取得することができるようになります。
LatConnect 60はワープスペースの光通信ネットワークを使用することで、「1日に何度も、そして、よりリアルタイムでデータをダウンリンクすることを期待している」といいます。
LatConnect 60のヴェンカテシュワラ・ピレイさんは、今回のワープスペースとの提携についてこのように述べています。
「私たち(LatConnect 60)は、ワープスペースと共通の使命と目標を見出し、私たちのデータと洞察を安全かつリアルタイムにクライアントに提供するために、ワープスペースの宇宙での光通信ネットワークを活用することに多大な価値を見出すことができました。ワープスペースとのパートナーシップは、オーストラリアと日本の両市場における当社のサービス導入の実現につながるものです」