【ゼロからのTellusの使い方】GeoJSONのオープンデータをTellusに表示する
衛星データプラットフォームでは、オープンデータをGeojsonファイルで読み込むことができます。その方法を紹介しています。
2022年8月31日以降、Tellus OSでのデータの閲覧方法など使い方が一部変更になっております。新しいTellus OSの基本操作は以下のリンクをご参照ください。
https://www.tellusxdp.com/ja/howtouse/tellus_os/start_tellus_os.html
Tellusとは、2018年の12月21日にβ版がオープンした無料の衛星データプラットフォームのことで、登録するとブラウザ上で様々な衛星データを見ることができます。
本記事ではウェブ上に公開されている空間データ(オープンデータ)をTellus(β版)で利用する方法を、国土数値情報ダウンロードサービスを例に紹介します。
(1)空間データをダウンロードしよう
TellusはGeoJSON形式の空間データを読み込むことができます。宙畑では以前に「【ゼロからのTellusの使い方】衛星データ上に好きな図形を重ねてみよう」で、空間データの作り方と、それをTellusで利用する方法を紹介しました。
点や線のように簡単な図形であれば自分でGeoJSONを作ることも容易です。
しかし、複雑な空間データを自分で用意しようとすると、どうしてもツールやプログラムの助けが必要となり難易度が上がります。
衛星データをより深く活用しようとすれば、最終的にはそういったことに挑戦する必要も出てくるのですが、まずは用意されているものを利用することから始めてみましょう。
例えば、近年、国や地方自治体など様々な団体・企業が、空間データをウェブ上に公開しています。
(2)「国土数値情報 ダウンロードサービス」の使い方
今回は「 国土数値情報 ダウンロードサービス」の行政区域データを利用してみましょう。
「国土数値情報 ダウンロードサービス」とは、各団体・企業が提供する国土に関する基礎的な空間情報を国土交通省国土政策局が取りまとめたものです。
様々なデータが用意されていますが、その中から「行政区域」を選択してください。
行政区域データは都道府県や市町村の形状データです。お好きな都道府県を選んで進んでください。
※全国を選ぶとすべての市区町村情報が手に入りますが、あまりにデータ数が多くなってしまうためオススメしません。
以降はアンケートに答えたり、利用約款をよく読んでダウンロードまで進んでください。
※業務で利用する際は「国土情報利用約款」だけでなく、出典元の利用規約等をよく読み、商用利用の可否や適用限界を確認するようにしてください。
データがダウンロードできたら中身を確認します。行政区域データは複数のフォーマットで提供されており、その中にはGeoJSONファイルも含まれています。
(3)GeoJSONのフィーチャーオブジェクトとフィーチャーコレクションオブジェクトとは
簡単にGeoJSONについて復習しておきましょう。
GeoJSONとは地理空間情報を表現するためのフォーマットのひとつです。点(Point)や線(LineString)、多角形(Polygon)といった図形をジオメトリオブジェクト(Geometry Object)として表現することができます。
以下 は点(Point)の例です。
{
"type": "Point",
"coordinates": [139.74543, 35.65858]
}
これだけでも立派なGeoJSONですが、座標(位置情報)だけでその場所に関する情報がありません。
この点が何の座標なのか情報を加えるにはどうしたらいいでしょうか。
それにはフィーチャーオブジェクト(Feature Objest)を用います。
{
"type": "Feature",
"properties": {
"name": "東京タワー"
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [139.74543, 35.65858]
}
}
フィーチャーオブジェクトは型(type)に”Feature”を指定し、geometryに位置情報(ジオメトリオブジェクト)を、properties(プロパティ)にその座標に関する情報を定義することができます。
propertiesにはどんな情報でも定義することができます。この例では座標の名称をnameとして定義しています。
一つのGeoJSON内で複数の空間データを定義するには、フィーチャーコレクションオブジェクト(FeatureCollection Object)を用います。
{
"type": "FeatureCollection",
"features": [
{
"type": "Feature",
"properties": {
"name": "東京タワー"
},
"geometry": {
"type": "Point",
"coordinates": [139.74543, 35.65858]
}
},
{
"type": "Feature",
"properties": {
"name": "東京湾アクアライン"
},
"geometry": {
"type": "LineString",
"coordinates": [
[139.794002, 35.518300], [139.918536, 35.434816]
]
}
}
]
}
型に”FeatureCollection”を指定し、featuresにはフィーチャーオブジェクトを並べます。
今回ダウンロードしたデータの中身を見てみると、たしかにFeatureCollectionやFeature、propertiesといった単語を見つけることができます。
(4)行政区域データをTellus上に表示する
ダウンロードしたGeoJSONをTellusで読み込んでみましょう。
※パソコンのスペックや選択した都道府県によってはデータが多すぎてブラウザの操作ができなくなる可能性があります。
すると、地図上に選んだ都道府県の市区町村の形状データが表示されます。この例では北海道の行政区域データを読み込んでいます。
そして表示された行政区域のどこかをクリックしてみましょう。その区域に関する情報が以下のように吹き出しで表示されます。
Tellusではこのようにフィーチャーオブジェクトのプロパティを確認することができます。
以上、ウェブ上に公開されている空間データをTellus(β版)で利用する方法を紹介しました。
今回は国土数値情報ダウンロードサービスの行政区域データを使いましたが、それ以外にも様々な空間データが公開されているので、自分の目的にあった空間データを探して利用してみてください。
【空間データを公開している主な団体・企業例】
・内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室DATA GO JP
・国土交通省国土政策局国土情報課国土数値情報 ダウンロードサービス
・鎌倉市鎌倉なびマップ
・静岡市静岡市道路通行規制情報 ずみちinfo
・那須塩原市、大田原市、那須町、那珂川町那須地域定住自立圏オープンデータポータル
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