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Redwireが欧州向けの超低高度軌道(VLEO)宇宙機プラットフォームを発表【宇宙ビジネスニュース】

【2024年5月20日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

5月13日、宇宙インフラ企業Redwire Space(以下Redwire)がヨーロッパ向けの超低高度軌道(VLEO)の小型衛星開発パッケージ(宇宙機プラットフォーム)「Phantom(ファントム)」の構想を発表しました。

宙畑メモ超低高度軌道
超低高度(VLEO)とは‍約180~300kmを指します。超低高度衛星は精度が高い画像を取得できると期待されている一方で、高度が低いと大気の影響を受けやすくなるため、高度の維持が難しいことが長期間運用するうえでの課題として挙げられています。

Phantomは空気抵抗を回避することで、軌道上で最大5年間運用できるように設計されており、地球科学や情報収集、宇宙領域把握(SDA)などでの利用を想定しています。

Credit : Redwire Space

Redwireはアメリカやベルギー、ルクセンブルクなどに拠点を構えており、今回発表されたPhantomは、ベルギー拠点で開発されるということです。

Redwireは情報収集(ISR)や通信、測位、地球科学などへの活用が期待されるVLEOの宇宙船プラットフォーム「SabreSat(セーバーサット)」の開発も発表しています。Redwireによると、SabreSatは大規模な衛星コンステレーション構築のニーズを満たす大量生産が可能だといいます。

また、Redwireは欧州宇宙機関(ESA)のVLEO衛星ミッションで、パフォーマンスを向上させながら、地球観測のコストを大幅に削減することを目的とした「Skimsat(スキムサット)」の実証機をThales Alenia Spaceと共同で開発しており、VLEO衛星の開発に積極的な姿勢がうかがえます。

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参考

Redwire Announces Development Of New European-Built Very Low Earth Orbit (VLEO) Spacecraft Platform Called Phantom

SabreSat

Phantom

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