宙畑 Sorabatake

宇宙ビジネス

日本初! 「宇宙の持続可能性」を考えるサミットが日本科学未来館で開催

7月11日〜12日の2日間、日本(日本科学未来館)、そしてアジア太平洋地域で初めて開催される第6回「宇宙の持続可能性」サミットの概要と見どころをまとめました

(1)「宇宙の持続可能性」サミット、日本で初開催

7月11日〜12日の2日間、日本(日本科学未来館)、そしてアジア太平洋地域で初めて第6回「宇宙の持続可能性」サミットが開催されます。

このサミットは、Secure World Foundation(SWF)と内閣府宇宙政策事務局が主催。SWFでは宇宙の持続可能性と平和利用をテーマに、政府や国際機関、市民社会と協力しながら、その実現のための考えや活動の普及や推進に取り組んでいます。

このサミットはその活動の1つで、様々なスピーカーの講演や対話型セッション、ネットワーキングなど、世界中からの参加者と交流する貴重な体験が準備されています。

また、7月8日〜10日で開催されているSPACETIDEと連携しており、この1週間は宇宙開発の商業利用から持続可能性まで、宇宙のことを広く学ぶ良い機会になるでしょう。

宙畑も本イベントのメディアパートナーとして参加しており、本記事ではイベントの見どころやアジェンダ(和訳)、宙畑が注目するセッションを紹介しています。

■関連リンク
・イベントのHP
・イベントの参加登録(6/19までの早割あり※学生もしくは35歳未満、政府関係者、オンライン参加の方は6/12まで)

(2)サミットの見どころは?

サミットの見どころについては、以下の通りです。

1.Unlock Regional and Global Insights

将来世代のために、宇宙の持続可能性について、国境や地域の垣根を越えて議論することを目指しています。

2.Network Like Never Before

官民学問わず、宇宙政策・宇宙産業の最前線で活躍されている方が、世界中からこの東京に集まります。初日の夜に企画されるレセプション以外にも、朝食やコーヒー休憩などちょっとした時間でも、プロフェッショナル達と活発に議論を交わすことができます。

3.Interactive Programming

よくある「聞く」のみのレクチャー型ではなく、「聴く・話す・議論する」対話型のプログラムを中心としたカンファレンスになっています。また、SWFでは、国内外問わず、全ての人に情報・ネットワーキングの機会を提供することを大切にしており、当日オンラインでの参加も歓迎されています。

4.Young Professional Mentoring Breakfast

宇宙の持続可能性は、将来世代にも大きく影響する国際課題であり、将来を担う若手人材の育成が本サミットでの主要テーマの一つになっています。また、日本では、宇宙政策への認識・理解がまだ十分でない現状もあります。2日目の朝に、若手へのメンタリングセッションとネットワーキングのできる朝食の機会が予定されています。当日、可能性に溢れる若手の方には、多くの良い学びのチャンスがあるため、奮ってご参加ください。

サミットの担当者からも、若手への期待について、以下のコメントをいただきました。

「本サミットのメインテーマである「宇宙の持続可能性」には、将来を担う人材の育成が大切です。7月12日朝に開催されるYoung Professional Mentoring Breakfastは、若手の方にとって良い学びを得る機会となっていますので、奮ってご参加ください。」

実際に、35歳未満、または、学生用の低価格帯のチケットプランも準備されています。我こそはという学生、若手の方にぜひ参加いただきたいですね。

また、登壇予定となっている豪華なスピーカーの方々にも注目です。幅広い分野の宇宙産業に関わるプレイヤーが並んでいます。

サミットHPより

(3)興味深いテーマが並んだアジェンダ

本イベントのアジェンダは以下の通りです。スプレッドシートでご覧になりたい方はこちらをご覧ください。
※和訳しておりますので、一部意訳もございます

(4)宙畑編集部 注目のセッション

最後に、宙畑編集部が特に気になったセッションを3つ挙げます(もちろん他のセッションもとても興味深いものが並んでいますので、ぜひご覧ください!)。

Hello Kitty Goes To Space: New Types of Space Exploration Partnership

このセッションでは、宇宙探査における新たな形でのパートナーシップの在り方について議論がされます。

これまでの宇宙探査では、少数の大国による宇宙開発が主でしたが、これからは月探査をはじめ、新規参入国とも連携した、国際共同プログラムを基に進められる流れとなっています。また、民間事業者の参入も進んでおり、小型宇宙船を用いた宇宙探査ミッションを計画・実施しているところも出てきています。

ここでは、そういう背景の中で国際協力の宇宙探査に参入することの恩恵や参加の仕方について議論が交わされる予定です。最近の宇宙探査の動向を知ることができるので、おすすめです。

Orbital Debris Remediation — Gotta Catch ‘Em All?

このセッションでは、軌道上デブリの除去の戦略について議論がなされる予定です。

デブリの除去は宇宙の持続可能性にとても重要だと考えられている昨今、「優先的に除去すべきデブリはどれか?」「デブリ除去に投資するのはだれか?」といった戦略については、まだまだ議論がなされていない点が多数あります。

本セッションでは、2月にニュージーランドで開催された前回のサミットの結果などをふまえて、議論がなされるようです。デブリ除去の話題は、本サミットの主題にもつながりますので、一見の価値ありでしょう。

Stand to the Left: What New Actors Need to Know About Space Sustainability “Etiquette”

このセッションでは、宇宙の持続可能性の基本ルール(エチケット)について議論がなされる予定です。

日本において、エスカレータは地域によって左側もしくは右側に立って他の人が通れるようにする規範があるように、宇宙環境の維持にも、明文化されたルールと不文律のものがあります。

SWFでは、宇宙事業への新規参入者向けのハンドブックを作成したそうです。宇宙の持続性の暗黙のルール(エチケット)を学ぶ機会はないと思いますので、興味深いおすすめのトピックのひとつです。

(5)奮ってご参加を!

今回、SPACETIDEとも連携しており、宇宙を幅広く体験することができる貴重な機会となっております。

若手の方含め、多くの宇宙に携わる方にご参加いただき、宇宙の持続可能性について考える機会としていただければと思います。

普段話すことができない専門家の方々と直接お話できたり、真新しいテーマや最近の課題を押さえる上でも非常に良い機会となっております。(消化不良気味になるかもしれません。)皆様のご来場楽しみにお待ちしております!

■関連リンク
・イベントのHP
・イベントの参加登録(6/19までの早割あり※学生もしくは35歳未満、政府関係者、オンライン参加の方は6/12まで)