Planetと欧州宇宙機関(ESA)と複数年契約を締結。Copernicusへのデータ提供を強化【宇宙ビジネスニュース】
【2024年2月4日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
地球観測企業Planetのドイツ・ベルリン拠点は1月28日、欧州宇宙機関(ESA)と複数年契約を締結し、民間企業や各国の宇宙機関が運用する地球観測衛星のデータを補完的に活用する「Copernicus Contributing Missions」に参加することを発表しました。
本契約により、Planetの「PlanetScope」と「SkySat」の衛星画像データが、ESAのSentinel衛星データを補完し、Copernicusサービスのデータ提供を強化することになります。
宙畑メモ:現在運用中の衛星”Planet Scope”と”Skysat”
”Planet Scope”は、2016年にPlanetから打ち上げられた高頻度地球観測衛星。現在、Planetの衛星シリーズで最も数の多い約200機の衛星からなるコンステレーションであり、常時地球全体を撮影しています。3.7mの分解能を有しており、1機あたりのサイズはわずか10cmx10cmx30cmで、重さ5kg程度の超小型衛星です。
”Skysat”は、2013年にSkybox Imaging社から打ち上げられ、現在Planetが21機運用する高分解能地球観測衛星。50cmの分解能を有しているため、より解像度高く撮影することができるのが特徴。サイズは60cmx60cmx95cm、重さ110kg程度の小型衛星です。
Planetはこれまでも、CopernicusプログラムやESAの「Third Party Mission(第三者ミッション)」プログラムに貢献し、同社の衛星データは土地利用の監視や気候変動研究などに役立てられてきました。今回の契約締結により、PlanetとESAの協力関係はさらに強化され、欧州における商業衛星データの活用が加速することが期待されます。
また、Planetは1月29日には、アジア太平洋地域の長年の商業パートナー(※2月5日にスカパーJSATであることが発表されました)との提携を拡大するため、2億3000万ドル(約340億円)の複数年契約を締結したことを発表しました。同契約により、Planetは高解像度の画像撮影が可能な次世代衛星Pelicanのコンステレーションを構築・提供し、パートナー向けに特定の衛星容量を確保するとともに、運用サービスも提供するということです。
この契約は2026年度以降のPlanetの財務状況の強化にもつながることが期待されています。
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参考
Planet Signs Deal with European Space Agency (ESA), Joining the Copernicus Contributing Missions
Planet Signs $230 Million Commercial Agreement for Pelican Satellites