宙畑 Sorabatake

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日本の取り組みが国際的に高く評価される宇宙交通管理(STM)とは?技術開発とルールメイキングを”車の両輪”として進める

2025年3月28日、第3回宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース大臣会合における議題と城内実内閣府特命担当大臣(宇宙政策)の発言で印象に残った内容について、紹介します。

2025年3月28日、第3回宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース大臣会合が開催されました。

宇宙交通管理(STM:Space Traffic Management)とは、人工衛星の打上げから運用終了・廃棄まで一連の宇宙利用の安全性を確保するための取り組みのことで、軌道上サービスやデブリの抑制、人工衛星の衝突防止、宇宙状況把握(SSA)など、宇宙空間を持続的に活動可能なものとするために必要なあらゆるサービスが含まれています。

宇宙状況把握や軌道上サービスについては以下の記事をご覧ください。

昨今、SpaceXがサービスを提供する通信サービスStarlinkが現時点で7000機以上もの衛星を打上げているように、宇宙空間における衛星機数の急速な増加、また、これに伴う宇宙空間の宇宙ゴミ(スペースデブリ)が増加しています。例えば、2023年12月時点で観測されている軌道上物体は約35,150個。1cm以上では100万個、1mm以上は1.3億個以上と推定されています。

そのような背景から、人工衛星や宇宙ゴミなどの宇宙にある物体同士の衝突リスクや、その発生による持続的な宇宙利用への懸念から、宇宙交通管理に関するルールメイキングの議論や技術開発が国際的に加速しています。日本においても例外なく、国際的な議論の動向や日本における対応状況を踏まえて、関係する府省庁が連携し、効果的な取り組みを促進することを目的として立ち上げられたのがこの「宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース」です。

第3回の会合の議題は以下の通りです。
(1)宇宙交通管理に関する最近の状況変化
(2)内閣府、文部科学省、防衛省、JAXA 及びアストロスケールの取組
(3)各府省等の取組の報告
(4)国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会への対応

注目すべきは、アストロスケールホールディングスの創業者兼CEOである岡田光信さんが、同社の事業進捗について、本会合で説明を行い、日本における民間企業の技術実証の進捗を説明されていたことです。

会合にはアストロスケール創業者兼CEOの岡田光信さん(左側)が説明者として参加されていました。

以前、宙畑でアストロスケールの東京証券取引所グロース市場に新規上場した際の記者会見の取材に訪れた際に印象に残った岡田さんが「この2年で国際的なルール作りは変わってきた(加速してきた)」ということ、その背景には「アストロスケールが国際的にみても世界的な標準となり得る技術を証明したこともある」「技術とルール作りは両輪のところがあり、どこまで技術があるからどこまでの規制やルールを作るという側面があり、私達が技術をどんどん前に進めていくことによって世界のルール作りというものも前進していく」ということを話されていました(当該記事)。

本会合もルールメイキングを進めるうえで非常に重要な機会だったと想定されます。また、2025年6月に開催予定の国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)で日本の取り組みを発信することを視野に関係府省庁と連携して調整を進め、日本における宇宙交通管理における技術力やルールメイキングの好事例を提供することで、国際的な宇宙交通管理の確立に貢献すると配布資料では語られていました。

また、会議終了時の城内実内閣府特命担当大臣(宇宙政策)の締めくくり発言でも以下の通り発言がありました。

「昨年3月の第2回会合以降、我が国では、人工衛星等との衝突防止に係るガイドラインの制定、また、防衛省自衛隊における宇宙状況把握、SSAに係る体制整備があって、本年2月に開催したNSPSシンポジウムなど、各種の法令ガイドラインに基づくデブリ抑制に係る取り組みの国際発信の充実した。さらには文部科学省、JAXA、アストロスケール社による商業デブリ除去実施実証プロジェクト、CRD2においては、昨年2月に人工衛星ADRAS-Jの打上げが行われ、5月から11月にかけて、軌道上でターゲットデブリに接近をして、極めて近距離からの観測に成功するなど、技術開発とルールメイキングを車の両輪とした取り組みを着実に進めており、国際的に高く評価されていることを大変嬉しく思います。」

各国が宇宙開発を加速しているなかで、日本が技術開発、ルールメイキングともに活発な取り組みを行い、国際的に高い評価を得ているとされる宇宙交通管理は今後の注目キーワードかもしれません。

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